Hidden love.
 家に帰り、夕飯や風呂を済ませると、大樹はすぐにソファで眠りについてしまう。大きなソファが彼の体を支えるのは容易だけれど、腕が背もたれに当たったりするのを見ていると、本当は広い場所で寝たいのではないかと思う。

 普段綺麗な顔をしている人が、口を開けて眠っていると少し安心する。気が緩んだ時に間抜けな面をするのは全人類共通なのだと。

 私はくすっと笑い、大樹の元により、優しくトントンと肩を叩いた。すると寝息は止まり、うっすらと目を開ける。


「ん?」

「寝かせてあげたいけど、流石にベッドで寝たら? 疲れ取れないわよ」

「運んで」

「その巨体をこんなか弱い女の子が運べると思う?」

「元気があれば何でも出来るって誰か言ってた」

「馬鹿言ってないで早く起きなさい」

「はい。お母さん」

「ケツ叩かれたくなきゃ早く移動することね」


 私の発言に少し笑うと大樹は起き上がり、私の肩を抱いてくる。


「…なんなの?」

「一緒に寝よ」

「わかったから、体重かけないで。重い」


 そう会話をしながらふらふらと寝室の方へ向かう。相も変わらず甘えん坊で、時々子供みたいな姿を見せる。

 この姿も私だけの特権だと思えば、意外と悪くないものだ。
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