Hidden love.
 そのままベッドに入ると、大樹は私を抱き寄せ、肩の所に頭を乗せさせる。

 この時間がものすごく好き。今は大樹をいちばん近くに感じる時間だから。


「…なあ?」

「うん?」

「そろそろ結婚、とか思ってるんだけど、どう思う?」

「…そうよね。大分いろいろと落ち着いたけど、最近は大樹が忙しいじゃない? 大丈夫なの?」

「全然問題はないよ。もうすぐ落ち着く」


 その言葉に「そっか」と返すと、大樹は片手で私の頭をそっと撫でる。ずっと決めていたことだけど、まだ実感が湧かない。落ち着いたら結婚なんて不明確な約束だったから。

 自分の姓が変わる事に、嬉しさと、ほんの少しの寂しさを感じていた。いつか椿ではなく、朝倉と呼ばれることが当たり前になる。


「それに、思うんだよな」

「何を?」

「お揃いの指輪早く着けたいなとか、清花のウェディングドレスは綺麗だろうなとか、清花との子供は可愛いだろうなとか」


 いろいろと出てきた大樹の未来の話に思わず顔が火照る。

 私だって考えていなかった訳じゃないけれど、まさかこの油断しきっているタイミングで話してくるなんて思わなかったから。

 大樹は私の顔を覗き込み、クスッと笑うと、そのまま私の顔を大樹の方へ向かせ、優しく口付けてくる。


「……疲れてるんじゃなかったの?」

「シたくなったから仕方ない。近くに好きな子がいたら簡単にスイッチ入る」

「…そんな若くもないのに」

「関係ねぇよ」


 そう言いながら口付けを深め、私の寝巻きの裾に手を入れる。

 いつもスイッチが入るタイミングは突然で、わからない。その準備もしていないのに、ほんの少し気にしている間にも、余裕を奪ってくるから、もう何も考えられなくなる。
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