レディ・マーメイド
その時、壁からコンコンコンとノックの音が聞こえてきて樹莉は顔を上げる。
よく見ると横長の壁の一部はドアになっていた。
はい、と返事をして神谷が開けに行く。
「あら、黒木さん。ちょうど今樹莉さまのお支度整ったところです」
「そうですか。でしたらどうぞ、こちらへ。亜紋さんがお待ちです」
聞こえてきた会話に、樹莉は一気に緊張する。
(帝王のところに行くの? これから?)
それはまあ、仕方ない。
話をしなければ身動きも取れそうになかった。
すると神谷と話していた黒のスーツ姿の男性が近づいて来た。
整った顔立ちで背が高く、身のこなしも美しいがどこか控えめな雰囲気だ。
「樹莉さま、初めまして。私は九條グループ専務取締役の秘書をしております、黒木と申します」
スッときれいなお辞儀をされて、樹莉も慌てて両手を揃えて挨拶した。
「初めまして。パレ・ド・フローラの小早川と申します。よろしくお願いいたします」
「こちらこそ。ではお隣の部屋へどうぞ。九條亜紋がお待ちしております」
「はい」
樹莉は神妙な面持ちで黒木のあとに続いた。
よく見ると横長の壁の一部はドアになっていた。
はい、と返事をして神谷が開けに行く。
「あら、黒木さん。ちょうど今樹莉さまのお支度整ったところです」
「そうですか。でしたらどうぞ、こちらへ。亜紋さんがお待ちです」
聞こえてきた会話に、樹莉は一気に緊張する。
(帝王のところに行くの? これから?)
それはまあ、仕方ない。
話をしなければ身動きも取れそうになかった。
すると神谷と話していた黒のスーツ姿の男性が近づいて来た。
整った顔立ちで背が高く、身のこなしも美しいがどこか控えめな雰囲気だ。
「樹莉さま、初めまして。私は九條グループ専務取締役の秘書をしております、黒木と申します」
スッときれいなお辞儀をされて、樹莉も慌てて両手を揃えて挨拶した。
「初めまして。パレ・ド・フローラの小早川と申します。よろしくお願いいたします」
「こちらこそ。ではお隣の部屋へどうぞ。九條亜紋がお待ちしております」
「はい」
樹莉は神妙な面持ちで黒木のあとに続いた。