レディ・マーメイド
「亜紋さん。私、ちょっと怒ってるんですからね」
ようやくダイニングテーブルで夕食を食べ始めた亜紋を、樹莉は向かいの席から上目遣いに睨んだ。
「それで怒ってるのか? 可愛いな」
「もう、亜紋さん!」
ペースを握られてはいけないと、樹莉は一気にまくし立てる。
「私、ここに住むのはお断りしましたよね? なのにこうも毎日黒木さんをお迎えに来させるなんて。これじゃあ、住んでるのと変わらないじゃないですか」
「そうだが?」
「そ、そうだが? え、確信犯?」
バスローブ姿で優雅にナイフとフォークを使う亜紋に、樹莉は呆気に取られた。
「毎日樹莉に会いたいのだから仕方ない」
「ちょ、亜紋さん! 私、なし崩し的にそうなるのは嫌なんです。きちんとけじめはつけないと」
「けじめ……?」
手を止めてゆっくりと顔を上げる亜紋に、樹莉は一瞬ひるむ。
「な、なんですか? やりますか?」
思わずファイティングポーズを取ろうとする樹莉を、亜紋は真剣に見つめた。
「わかった。待ってろ、樹莉」
「え、なに。果し状?」
キリッとした表情で再び食事を進める亜紋を、樹莉は警戒しながら見守っていた。
ようやくダイニングテーブルで夕食を食べ始めた亜紋を、樹莉は向かいの席から上目遣いに睨んだ。
「それで怒ってるのか? 可愛いな」
「もう、亜紋さん!」
ペースを握られてはいけないと、樹莉は一気にまくし立てる。
「私、ここに住むのはお断りしましたよね? なのにこうも毎日黒木さんをお迎えに来させるなんて。これじゃあ、住んでるのと変わらないじゃないですか」
「そうだが?」
「そ、そうだが? え、確信犯?」
バスローブ姿で優雅にナイフとフォークを使う亜紋に、樹莉は呆気に取られた。
「毎日樹莉に会いたいのだから仕方ない」
「ちょ、亜紋さん! 私、なし崩し的にそうなるのは嫌なんです。きちんとけじめはつけないと」
「けじめ……?」
手を止めてゆっくりと顔を上げる亜紋に、樹莉は一瞬ひるむ。
「な、なんですか? やりますか?」
思わずファイティングポーズを取ろうとする樹莉を、亜紋は真剣に見つめた。
「わかった。待ってろ、樹莉」
「え、なに。果し状?」
キリッとした表情で再び食事を進める亜紋を、樹莉は警戒しながら見守っていた。