失恋した夜、三白眼のエリート海上自衛官に恋しました

「そういえば」
 不意に彼が言った。
「元気そうで良かった」
「え?」
「あの日、かなり泣いていただろ」

 胸がぎゅっと締め付けられる。
 失恋した夜の出来事。

「あの時は本当にありがとうございました」
「礼を言われることはしてない」
「でも、救われたんです」

 久瀬さんは少しだけ向こう側に広がる海へ視線を向けた。

「そうか」

 それだけだった。
 けれど、その横顔が優しくて、慈愛に満ちていた。
 深青の海が光を反射してキラキラと眩く輝く。

 気づけば三時間近く話していたようだった。
 会計を済ませ、カフェを出て海沿いを少し歩く。

 快晴の夏空に海が映える。海風は若干冷たくて心地いい。
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