失恋した夜、三白眼のエリート海上自衛官に恋しました
「今日は楽しかったです」
私が言うと、久瀬さんは足を止めた。
「俺もだ」
短い返事。
だけど今回は続きがあった。
「また会いたい」
胸がドクドクと騒がしい。
元カレに言われたどんな甘い言葉より、その一言が嬉しかった。
どうしてだろう。
たった数時間一緒にいただけなのに。
もっとこの人と話したいと思っている自分がいる。
「朝倉さん」
「はい」
久瀬さんが少しだけ言葉を探すように視線を逸らした。
そんな仕草は初めて見る。
「涼帆さん、って呼んでいいか」
「……え?」
思わず聞き返してしまう。
「嫌なら今まで通りでいい」
どこか不器用な言い方だった。
けれど、その意味はわかる。
少しでも距離を縮めたい。
そう思ってくれているのかもしれない。
胸の奥が熱くなる。
「もちろんです」
そう答えると、久瀬さんは少しだけ安堵したように目を細めた。
「じゃあ、涼帆さん」
初めて呼ばれた名前。たったそれだけなのに。
「洋一さん」
勇気を出して呼び返す。
一瞬だけ、久瀬さんの表情が固まった。
「反則だな」
「え?」
「いや、なんでもない」
珍しく困ったように笑う。
普段は鋭い三白眼が柔らかく和らぐ。
その表情を見た瞬間、私は悟ってしまった。
失恋の傷はまだ消えていない。
私はもう、彼に惹かれている。
潮風が頬を撫でる。
胸の奥で、小さな恋が静かに動き出していた。
私が言うと、久瀬さんは足を止めた。
「俺もだ」
短い返事。
だけど今回は続きがあった。
「また会いたい」
胸がドクドクと騒がしい。
元カレに言われたどんな甘い言葉より、その一言が嬉しかった。
どうしてだろう。
たった数時間一緒にいただけなのに。
もっとこの人と話したいと思っている自分がいる。
「朝倉さん」
「はい」
久瀬さんが少しだけ言葉を探すように視線を逸らした。
そんな仕草は初めて見る。
「涼帆さん、って呼んでいいか」
「……え?」
思わず聞き返してしまう。
「嫌なら今まで通りでいい」
どこか不器用な言い方だった。
けれど、その意味はわかる。
少しでも距離を縮めたい。
そう思ってくれているのかもしれない。
胸の奥が熱くなる。
「もちろんです」
そう答えると、久瀬さんは少しだけ安堵したように目を細めた。
「じゃあ、涼帆さん」
初めて呼ばれた名前。たったそれだけなのに。
「洋一さん」
勇気を出して呼び返す。
一瞬だけ、久瀬さんの表情が固まった。
「反則だな」
「え?」
「いや、なんでもない」
珍しく困ったように笑う。
普段は鋭い三白眼が柔らかく和らぐ。
その表情を見た瞬間、私は悟ってしまった。
失恋の傷はまだ消えていない。
私はもう、彼に惹かれている。
潮風が頬を撫でる。
胸の奥で、小さな恋が静かに動き出していた。