モテ男の北原くんは、報われない恋をしている
現在北米支社で働きエリートコース驀進中の吉野先輩の恋人は、とても有能でハンサムで現地の女性スタッフからも大人気らしい。
彼がアメリカに行って二年が経つけれど遠距離恋愛は順調で、美男美女で仕事ができる自立したふたりは、社内公認の憧れのカップルになっていた。
「そうなんですね」
そう言った北原の表情は、なにひとつ変わらなかった。
「それは、そっちが最優先ですね」
いつも通りの穏やかな笑顔を浮かべる。
自分の気持ちを押し殺して、大人の対応をする北原に、私は思わず両手を握りしめた。
吉野先輩が「じゃあ」と言って立ち去り、北原はその後ろ姿を見送る。
あぁ……っ。報われない恋って、なんて美しいんだろう……!
私が尊さを噛みしめていると、北原がこちらを振り返った。
私と目が合うと、露骨に嫌な顔をする。
「……お前、本当に悪趣味だな」
それまでのよき後輩の皮を脱ぎ捨てた北原に悪態をつかれ、「悪趣味ってなにが?」とすっとぼけた。
「今のやりとり見てニヤニヤしてただろ」
「ちょっと、身に覚えがありませんが」
「目が泳いでるぞ」
彼がアメリカに行って二年が経つけれど遠距離恋愛は順調で、美男美女で仕事ができる自立したふたりは、社内公認の憧れのカップルになっていた。
「そうなんですね」
そう言った北原の表情は、なにひとつ変わらなかった。
「それは、そっちが最優先ですね」
いつも通りの穏やかな笑顔を浮かべる。
自分の気持ちを押し殺して、大人の対応をする北原に、私は思わず両手を握りしめた。
吉野先輩が「じゃあ」と言って立ち去り、北原はその後ろ姿を見送る。
あぁ……っ。報われない恋って、なんて美しいんだろう……!
私が尊さを噛みしめていると、北原がこちらを振り返った。
私と目が合うと、露骨に嫌な顔をする。
「……お前、本当に悪趣味だな」
それまでのよき後輩の皮を脱ぎ捨てた北原に悪態をつかれ、「悪趣味ってなにが?」とすっとぼけた。
「今のやりとり見てニヤニヤしてただろ」
「ちょっと、身に覚えがありませんが」
「目が泳いでるぞ」