よそ見してんじゃねーよ。〜前腕フェチ看護師が、クールな外科医の独占愛に捕まりました〜
私もそんなに馬鹿じゃないんです。
だって、二人で食事するって、この状況はなんなんですか。
やっぱりただのお疲れ様会でないことは、雰囲気から感じとれてしまう。
緊張から、やっぱり私の方が喋ってしまっているけれど、本当に聞きたいことは聞けないまま。
気づけば店を出ることになっていた。
「……送る」
駅に着くと、そういう先生。
「あ、いや、大丈夫ですよ!食事もご馳走になりましたし、ありがとうございました」
モヤモヤした気持ちは残ったままだけど、流石にそこまでは……と踏みとどまった。
「車で来てるから、送らせて」
「え……でも……いいんですか……?」
真っ直ぐ私を見る先生の瞳からは何も読み取れないけれど、その言葉に甘えてしまいたいという気持ちが勝った。
「うん、こっち」
歩き出した先生の隣に慌てて並ぶ。
断ろうと思えば断れたのに、そうしなかったのは、
私もまだ一緒にいたいな、と思ってしまったから。