よそ見してんじゃねーよ。〜前腕フェチ看護師が、クールな外科医の独占愛に捕まりました〜

 黒のSUVに乗り込む私たち。

 車もカッコよくて、先生に似合っていて、ふと、これは夢なんじゃないか?って思ってしまう。

 小さく洋楽が流れる静かな車内。

 やっぱり沈黙に耐えきれない私の口は、どうでもいいことを、ペラペラと喋ってしまう。

 でも、先生は文句も言わずにそれを聞いてくれるし、たまにフッと笑ってくれたりする。

 それがどうしようもなく嬉しかった。


 私のマンション近くに車が静かに停車した。

 「あの、本当に今日はありがとうございました。楽しかったです」

 そう言って、シートベルトを外した。

 「……白石」

 ハンドルから手を下ろした先生が、背もたれにもたれてこっちを向く。

 「白石は、俺の腕が好きなの?」

 思いがけないフレーズに数回瞬きをする。

 「……はい、そうです。先生の前腕が特に」

 言ってしまってハッとする。

 そこまで、正直に言わなくてもいいのにいぃ。

 自分の変態発言にまた恥ずかしくなった。

 「そうか」

 何回も言い過ぎだし、流石に引かれたかなと思った。

 でも、どちらかというと先生は嬉しそうに口角を上げていた。

 「……じゃあ、俺は?」
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