よそ見してんじゃねーよ。〜前腕フェチ看護師が、クールな外科医の独占愛に捕まりました〜

 なんでここなんだろうとチラッと辺りを見渡すと、他のベンチは空いていないようだった。

 あ、なるほど、それでか。

 他意はないなと、安堵と少し残念な気持ちとが入り混じる。

 「どうも」と腰を下ろした須波先生はいつもと変わらない様子で缶コーヒーを開けていた。

 左側が落ち着かない。

 ベンチの端と端に座っていても、隣にいることには変わりない。

 なにせ、このあいだ変態発言みたいなことをしてしまった相手だ。

 どうしよう。

 弁解する?

 でもなんて、前腕フェチだって暴露するの?

 そんなことを考えている時、

 「この前さ、」

 そう言って私にチラッと横目で視線を流す。

 "この前"というワードで私の頭がフル回転し出し、先生が次の言葉を発する前に私の言葉が出ていた。

 「あ!あの!こ、この前は、その、変なこと言ってすいませんでしたっ。あれは、その、間違いというか。いや、本当にかっこいいと思ってるんですけど、先生の腕が……」
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