XOXO+I love you〜天敵上司が彼氏になったら甘々男でした

ニマニマと笑いを堪えている菜穂ちゃんを前に、言い返せないのは、誰のことかわかっているからだ。

「声だけしか桃花さんのフェチを刺激しなかった人が、目も悪くないのに銀縁メガネかけて、かっこよく外す練習なんてしたり(笑)、細マッチョになるまで鍛えたりして、健気でしたよ。それなのに好きな子に敵意向けられる不器用さんで、本当に報われてよかったです」

言うだけ言うと、『掃除してきます』と笑顔でバックヤードを出ていった。

私は、バックヤードにあるソファに項垂れて、しばらく自分の鈍感さに猛烈に落ち込んでいた。

朝礼では、昨夜の甘さなど感じさせない冷徹男の指示が始まる。

「清水は、昨日のエレメントの2案をもう少し修正。どうすればいいかわかるよな⁉︎予算オーバーでもオシャレで男性が女性を連れて行きたいと思う装飾空間の演出案と、予算内でクライアントの要望を入れた当たり障りのない装飾空間を作成してみろ。昼過ぎにクライアントに一緒に乗り込むぞ」

そう、昨夜訪れたお店は、まさにアイデアの宝庫で、私に刺激を与える為に、鷹宮さんが連れていってくれた気がしていた。

余裕なんてなかったようだが、職業病柄、刺激を受けて、幾つもの案が浮かんでいた私は、久しぶりにやる気に満ちて、デスクトップ画面でイメージを作っていく。
< 13 / 17 >

この作品をシェア

pagetop