XOXO+I love you〜天敵上司が彼氏になったら甘々男でした
「ももか、アルコールは、なにがいい?」
優しく頭を撫でる手と、甘やかす声。
「…生ビール」
「じゃあ、生2つ」
甘さに耐えきれないらしい男性は、『少々お待ちください』と上擦った声を出し、俊足で逃げていく。
私も逃げたい。
この人はだれ?
あの冷徹人間?
入れ替わった宇宙人ではないだろか?
油断させて、宇宙船に誘拐される…のでは。
バカな考えをして、現実逃避でもしてないと、この状況に耐えられない。
肩を抱いた男は動く気配はなく、無言でも嬉しそうに微笑み、手を取り、私の指を絡めてイチャイチャしてくる。
緊張で乾いていく喉。
先程の男性から聞きこんだ女性スタッフが、ニマニマとする口元を引き締めて生ビールを運んできたが、目が野次馬そのものだ。
去り際に、『やばい、ドキドキする』と興奮し去り際の足取りは速い。
テーブルに置かれたグラスを彼から渡されて、味わう暇もなく渇いた喉を潤していく。
ふーと息を吐くと、彼の指が伸びてきて、私の唇の端を指先でなぞる。
「泡ついてた」
それだけならまだいい。
よくないけど…その指先を追いかけたら、彼は自分の口にふくんでいく。その仕草は官能的で、見てはいけないものを見た気がして視線を逸らしたら、料理を運んできた先程の女性スタッフに見られていたらしい。