メイドインダーク(マフィア令嬢と少年メイドのインモラル逃亡潜伏) ※長編・一括掲載(R指定)
「…………」
 マリアが息を詰めて黙ってしまうのは、戯れに演技半分で喘ぐような余裕がなくなってきたせいなのだろう。そろそろ辛くなってきたらしい。
 ただでさえこの二年間の生活で弱みはバレている。
 知っていて続けざまに狙いをつけてくるのだから始末が悪い。
 やや斜め上からのしかかるみたいに角度をつけて、一点ものの「一角獣」でGスポットを繰り返し擦りつけてくる。おまけにマセた働き者の小ぶりな手がいつの間にかクリトリスまで虐めている。捏ね繰り方はとても上手で、せっかちなのに優しい。
「きゃ……」
 マリアの女の身体はとうとう甘い痺れが臨界しだして、そろそろ淫らな隠れ沼で蜜洞がピクピクと強く疼きだしてしまう。未成熟な蛇が盛んにのたうっているのが堪らない。
 飽和していく欲情と喜悦が露骨に溢れ出していた。
 急速に性感が高まってきて、止めようもない歓喜のオーガズムにビックリしてしまう。
「んくっ! うううぅ……」
 絶頂で痙攣している女体と姫奥の粘膜をしこたまに弄り続けるのは子鬼。
 こうなってしまうと悶えるしかなくなってしまう。
「あっ、やっ! ああうう、ううう!」
 情けなく身悶えたくらいで放してくれるものではない。
 普段だったら抱き合えるのに、今はバックだから抱きしめることもできないのが不安を募らせる。形良い乳を無様に揺らしながら、所在ない手がフローリングをさまよっていた。
 ケネディはまるで小さな肉食獣のような、獰猛なまでの活発さで追い詰めてくる。
「うっ! ううッ、あ! あッ!」
 もうお愛想でもムードメイクでもなく、マリアは視界がチカチカするような目くるめくような快感責めで喘ぐしかなくなる。
「やだっ、ぁ……ああッ、だめ、きちゃうから!」
 本能で逃れようとしても、ケネディは逃がす気はないらしかった。
 マリアは苦しいような切なさでリクエストを搾り出す。
「だめ、こんな格好! ……前から! 前からがいいのッ!」
 声はマリア自身が思っていたよりも、ずっと切ない女の子の声になってしまっていた。
 それでケネディはピクリとしてようやく動きを止める。
 程なくしてスルリと抜け落ちる感覚がして、マリアはようやく一息つくことが出来た。
「ハァハァ……もうっ……」
 マリアは頬を赤らめ、小さく叱るように目配せする。
 けれども下半身丸出しで、さっきまで挿入されていた乙女の蜜口から滝のような愛液の雫を滴らせているのだから、もはや威厳もヘッタクレもありはしないのだけれども。下半身の結合が解かれて「栓」が抜けてしまったせいなのか、体内に溜まっていた分がダラダラと太股にまで流れてしまい、フローリングの床にまで白く濁った液体がポタポタ垂れている始末だった。
 この部屋の空気に、どことなく生臭いチーズケーキみたいな香りがするのは、たぶん女の発情した臭いそのものだ。もはや取り繕いようなどあるはずもない。
 恥を掻かされたマリアはちょっとだけ少年メイドを睨んでから、素早くキスする。照れ隠しのように、潔く諦めてジーンズを脱ぎ、しばし視線を逸らしながらフローリングに仰向けになった。ついでに汚すのを覚悟の上で手近なクッションを腰の下に挟む。
 マリアは髪をパサリと捌いて、自分で足を開いた。シャツはとうに胸まで捲れていた。
 刹那に見交わしたアイコンタクトを合図に、待ちわびたようにケネディが覆いかぶさる。
「えっ!」
 アクシデントでマリアは目を白黒させた。
 蛇の頭は違う穴の方に触れている。慌てすぎて狙いを間違えているのかもしれない。
「違うわ、そこは……ああッ!」
 ケネディの特製の萎えることのない陰茎がマリアの肛門を圧迫して、固さと力の赴くままに問答無用で押し入ろうとしていた。愛液に塗れ滑ったペニクリスは若干の小ぶりさもあいまって、あっさりと禁断の穴に侵入を果たしていく。
「やっ!」
 マリアはあまり慣れない異物挿入の違和感に悲鳴を上げる。
「待って! 止めなさいっ!」
 つい声が高くなってしまうことにも狼狽ぶりが表れている。
 たしかにケネディを器具で開発したことはあったけれども、自分自身が本当のアナルセックスをやったことなどない。せいぜいが冗談半分に指を入れさせたり、ちょっとした玩具で悪戯するのを許したことがあるくらいなのだ。たしかに馴れ初めの頃に小さな手でフィストファックを試したことはあったけれども、それとこれとは別問題だった(いくらこの少年メイドのケネディを溺愛して心を許し、日常的に乱れ爛れたような夜の性生活を送っているにしたって、それでもマリアなりには淑女として最低限は品位や体裁を保ちたいブレーキもあるのだから……)。
 けれども禁忌が破られてしまったようだ。
 こじり開けるみたいにしてめり込んでくる肉の穂先が悪戯に生々しかった。まるで棒状の固形物のようで、さながら金属の芯でも通っているのかと思えるほどに強い貫入。抵抗しようとしても、疼くようなくすぐったさが先に立って上手く力が入らない。
「ううッ! あ、駄目だって! 汚れちゃう!」
 不意を突かれた女主人は仰向けで菊座に捻じ込まれて、排出穴を逆打ちに抉られながら無様に呻いた。情交の粘液で滑りながら、ゆっくり一ミリずつ押し入ってくる摩擦のせいで、なまじっかノーマルな膣への挿入よりも存在感にハッとさせられて息を呑んでしまう。
 マリアは半分以上も受け入れてしまいながらも、どうにか非難の言葉を零す。
「こんなの、違うっての、そこは……汚いから、だから……」
 全くの不意打ちでこんなことをされるとは思いもよらなかったのだ。
 こうして入り込んで食い入ってしまうと、もはや肛門の肉輪がどれだけ強く絞めつけても、それで押し出せるわけもなく。生理反射でひりだそうと動くほどに、血の通った温かい固さを粘膜で握り締めるように実感させられてしまう。不測の事態に慌てとまどいながら、マリアは子飼いのメイドの顔に不可解そうな眼差しを注ぐのだった。
 一方のケネディは気付いているのかいないのか、積極的に動こうとさえしている。
 いつもと少し違うことには気がついていたとしても、たいしたことではないとでも思っているらしかった。半分ほど抜いてから、また挿入に転じる。奥まで突っ込んでからまた引っ張り出され、マリアは中身が裏返って飛び出しそうな予感がした。
「やめて、抜きなさい……あっ、こんなのッ!」
 押し込んで直腸を蹂躙され、引き抜かれるときに奇怪な排泄じみた感覚が走る。
 顔を顰めたマリアにケネディは不思議そうな顔をして見せた。
「どうしたんですか、マリアさま?」
「そこは違うの……その、お尻の穴だから……」
 ケネディにはマリアが言っていることが理解できていない様子だった。
「あ……でも、気持ちいいでしょ?」
「汚れちゃうから……」
「だいじょうぶ、です。マリアさまだったら平気……」
 ケネディはようやくちゃんと「狙い違い」に気がついたようだったけれども、それでも意図を充分には理解していないらしい。むしろ珍しい部分の感触を、自分の一番敏感な肉角で堪能しようとでもしているみたいで、意識を集中している様が見て取れる。
 それもそのはずで、そういうふうに調教・開発・教育してしまったのはマリア自身なのだから仕方がない。ケネディからすればさして悪いことをしている自覚もないのだろう。
 よくマリア自身が教え聞かせた台詞をケネディの口から耳にして、一本取られたと思いながらもちょっと戦慄してしまう。
「何事も、チャレンジです……!」
 息を熱く乱しながらも、ニッコリと天使のように無邪気に微笑むメイド少年。
 自分がして欲しいことを他人にしてあげなさいと、イエスキリストはおっしゃいました。
 ケネディからすればそれは「致命的に嫌なこと」ではなく「たまには良い」くらいの感覚なのだろう。
 こういう「無邪気なまでの悪意のなさ」こそが世の中では一番に恐ろしい。
 たぶんケネディなりには気を使っているのか、ゆっくりと嬲るようなモーションが続く。 ネットリとした腰遣いで、労わるようにゆっくりゆっくりと優しくも、着実な慎重さで力強く出し入れされる。
「ひっ、ひいっ! いっ、やだ、こんなの……」
 困惑の悲鳴を上げるマリアの頬にキスをして、スイスイとスローペースで堅実な抽送を続けるケネディ君。おかげでだんだんに快感とも不快ともつかない奇妙な感覚に襲われながらも、彼女は聞かん坊を諭すように抗弁するのだった。
「や、止めよ? ね? 壊れるから、お尻が破れちゃう! もっ、止めて……」
 あいにくケネディは刷り込まれた習慣で、マリアの「止めて」を「もっとして」だとでも曲解したらしい。よく行為中に女主人のマリアさまが感じているときに「だめ、だめよ!」などと言ったり、エクスタシーの絶頂のときに「死んじゃう」などと口走るのはよくあることあのだから。
「あっ、うっふうぅぅ!」
 涙目のマリアはだんだんに甘たるく焦げつくような感じがしてきてしまう。
 なんだか被虐の悦楽が込み上げてきておかしくなりそうだった、
「乱暴は止めて! 本当に壊れちゃうッ!」
 なんだか強引な恋人に処女を捧げ、征服される乙女の気持ちがわかった気がした。考えてみれば、アナルセックスなんかを「完遂」されるのはこれが初めてなのだ。過去に集団強姦で処女を散らした際には男たちは「初物」に気を取られていたし、その後に強要された他の男の経験でも、その頃にはまだ身体が未開発だっただけにそこまでディープな行為にまでは及ばなかったのだ。
(そっか……これでケネディに後ろの「処女」、あげちゃったんだ……)
 そんなことを漠然と思い至って考えるにつけ、マリアはちょっとだけ嬉しくなる。
 だからにわかに表情に明るさをほころばせて告げるのだった。
「……優しくしてよ。お尻でするのは初めてなんだから」
 ケネディの我がままを受け入れる決意を固め、抵抗をやめて力を抜く。両腕をまだ成長途上の小柄な背中に廻して抱きしめ、唇を重ねられてようやく「幸福」を感じる。過去の不幸を上書きされたような安堵感があった。
 不慣れなことだけにちょっと辛いのも事実だったけれども。
 それでもマリアは小さな恋人の耳に甘くねだってみる。
「私の中で、イッて。……あなたの全部、欲しいの……」
 ケネディは返事の替わりに強く抱きしめてくる。潰れた二つの果実が体重を伝えてくる。
 幸いにしてか、マリア専用のメイド少年が力尽きるのは案外に早かった。
 スパートをかけて三十秒ほどで、今度こそは不屈のケネディ君も燃え尽きたようだった。
 けれどもそこで落とし穴が、新たな悲劇が待ち受けていたのだ。
「ふぇえ……いいイッ?」
 マリアが顔色を変えたのも無理はない。
 直腸内で温かい液体が放出されるのを感じ、下腹部が張るような圧迫感とお腹を壊したような厭な切なさが広がってきたのだから。
(やだ、この子! 私の中でオシッコしてる……!)
 あいにくケネディをそういうふざけた身体にしたのは、他ならない自分自身だった。精巣を失って射精できないためなのか、ときおり性行為で興奮が限度を超えてしまうと失禁してしまうことがあるのだ。
「あっ、だめ、ダメッたら! ケネディ止めなさい! オシッコなんて……」
 大量でこそないものの、今回ばかりは場所が場所だけにかなり辛いものがある。なまじっか貯めることができる部位に温水浣腸でもされたようなものだった。しかも風呂場でもベッドでもない居間なのだから、もしも爆発でもしたら後処理がとんでもないことになってしまうだろう。
 グポリと抜け落ちたときに少しだけ漏らしてしまってギョッとする。
「バカ……!」
 マリアはキョトンとしているケネディを睨み、小声で「トイレ」とだけ告げて、ようやくケネディを引き離した。
 部屋のトイレまでの僅かな距離の一歩一歩が重く、尊厳をかけた決死の戦いだった。歩く振動だけで決壊してしまいそうな限界感に苛まれながら、かなり悲壮な表情でバスのドアノブに手をかけた。
 ようやく手早く用を足して処理した後でケネディを呼びつけ、とりあえずポコンと拳固として「こらっ! 調子に乗って!」と叱っておく。そのままメイド服を脱がせてユニットバスで汚れを流し、特に陰部は石鹸で丁寧に手洗いしてやった。
「アンタの大事のトコに黴菌が入ったらどうするのよ…………それに、お尻でなんて初めてだったのに、あんな強引に奪ってくれちゃって」
 反省顔のケネディは柔らかに洗われる刺激のせいか、少し充血させながらピクンピクンと震えさせて、頬を上気させて小さく喘ぎながら「はい」と上ずった声で頷くのだった。

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