メイドインダーク(マフィア令嬢と少年メイドのインモラル逃亡潜伏) ※長編・一括掲載(R指定)
3
そのとき僕の耳に、遠い時間の霞んだ破裂音が聞こえた。銃声だった。
断片的な映像が次々にフラッシュバックしてくる。
過去の家の、玄関に続く廊下。
トカレフ拳銃を持った、制服ブレザーのマリアお姉ちゃん。
そして「無力なんですよ、弱者なんですよ」と必死で恥も外聞もなく命乞いする父。
マリアが階段から降りてきた母に銃口を向け、撃った。
サイレンサー(銃声を消す消音部品)のせいで僕には小さな音しか聞こえなかった。
土下座している父の頭に銃を向け、撃った。階段の母は二度と立ち上がらなかった。
今度は僕にも銃声が聞こえた。サイレンサーをつけたって、正面には聞こえるのだ。
玄関の廊下の突き当たり、台所の間口から僕は全てを見ていたのだ。
「けい(恵)?」
マリアお姉ちゃんの声はそれまでに聞いたこともないほどに冷たかった。そして試すような、からかうような口調で問いかけるのだった。
「これでも、まだ私のこと、好き?」
狂気を孕んだ眼差しはやつれて、表情にも疲れくたびれた印象が張りついていた。
「……マリアさんが、こんなことを……」
その時の僕は喉が擦れて、それだけの言葉を搾り出すのが精一杯で。
「そうよ。私が殺したの」
「……」
絶句して目を見開いている僕にマリアお姉ちゃんは言った。
「あんたも、ここで死んどく?」
怖かった。
僕が必死で頭を左右に振ると、マリアさんは乾いた声で少しだけ笑った。
「だったらさ。アンタ、私の飼い犬にでもなる? アンタのパパが、私の叔父さんのパシリだったみたいに」
黙っていると、マリアさんは服のボタンを外しながら、土足で玄関に踏みあがって地下寄ってきた。眼差しが何だか普通ではなかった。
逃げようとしても足がすくむし、何が起きているのか理解できなくて、どうしたらいいのかもわからず。そうこうするうちにマリアお姉ちゃんは間近まで歩いて来ていた。
「アンタ、私のオッパイ好きだったっけ?」
捲り上げた制服のブレザーから、二つの形の良いオッパイが揺れていた。
知らず知らずに僕の目線が誘導されると、マリア様は見て取り察して、顔を寄せて僕の耳元に疲れた声で囁いた。
「ねえ。私とエッチ、しよっか?」
そのとき僕の耳に、遠い時間の霞んだ破裂音が聞こえた。銃声だった。
断片的な映像が次々にフラッシュバックしてくる。
過去の家の、玄関に続く廊下。
トカレフ拳銃を持った、制服ブレザーのマリアお姉ちゃん。
そして「無力なんですよ、弱者なんですよ」と必死で恥も外聞もなく命乞いする父。
マリアが階段から降りてきた母に銃口を向け、撃った。
サイレンサー(銃声を消す消音部品)のせいで僕には小さな音しか聞こえなかった。
土下座している父の頭に銃を向け、撃った。階段の母は二度と立ち上がらなかった。
今度は僕にも銃声が聞こえた。サイレンサーをつけたって、正面には聞こえるのだ。
玄関の廊下の突き当たり、台所の間口から僕は全てを見ていたのだ。
「けい(恵)?」
マリアお姉ちゃんの声はそれまでに聞いたこともないほどに冷たかった。そして試すような、からかうような口調で問いかけるのだった。
「これでも、まだ私のこと、好き?」
狂気を孕んだ眼差しはやつれて、表情にも疲れくたびれた印象が張りついていた。
「……マリアさんが、こんなことを……」
その時の僕は喉が擦れて、それだけの言葉を搾り出すのが精一杯で。
「そうよ。私が殺したの」
「……」
絶句して目を見開いている僕にマリアお姉ちゃんは言った。
「あんたも、ここで死んどく?」
怖かった。
僕が必死で頭を左右に振ると、マリアさんは乾いた声で少しだけ笑った。
「だったらさ。アンタ、私の飼い犬にでもなる? アンタのパパが、私の叔父さんのパシリだったみたいに」
黙っていると、マリアさんは服のボタンを外しながら、土足で玄関に踏みあがって地下寄ってきた。眼差しが何だか普通ではなかった。
逃げようとしても足がすくむし、何が起きているのか理解できなくて、どうしたらいいのかもわからず。そうこうするうちにマリアお姉ちゃんは間近まで歩いて来ていた。
「アンタ、私のオッパイ好きだったっけ?」
捲り上げた制服のブレザーから、二つの形の良いオッパイが揺れていた。
知らず知らずに僕の目線が誘導されると、マリア様は見て取り察して、顔を寄せて僕の耳元に疲れた声で囁いた。
「ねえ。私とエッチ、しよっか?」