常夏の甘い恋を、キミと。 〜どうやら恋の始まりはお互いフェチだった模様です〜
私が、「やりきった!」という笑みで桐生くんの方を振り向くと、彼は一瞬、息を止めた。
ん?どうかしたのかな………?
心なしか、彼の頬がうっすらと赤くなっている気がする。
「っ、先輩って結構無自覚ですよね。」
「え…………?そう?」
急に脈絡のない話をされて、私の目は点になってしまった………が。
「そうだよ。例えば、先輩のそのヘアスタイル………とか。」
「えっ⁉︎」
桐生くんが、どこか熱を蓄えたような瞳で私の髪型を凝視するので、私は慌てて、自分の手で頭を触った。
「もしかして、この髪型おかしい⁉︎」
鏡がないので確かめようがないが、もしかして私の髪ってなんか変なのだろうか。少なくとも手で触ったときには特に違和感はなかったけれど。
「…………はぁ、違いますよ。先輩、大事な話するので、ついて来てくれませんか?」
だけど私のその不安は杞憂だったようで、桐生くんは首を横に振った。………なんか呆れられているのは気のせい、だよね?

ただ、さっきまでは課題を終えた達成感で雰囲気は緩んでいたけれど、今はどことなく緊張している気がする。
それでも私は、
「………わかった。」
いつもとは違う………といっても桐生くんのいつもなんてほぼ知らないが………真面目な顔に少しドキッとしながらも、頷いて席を立った。
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