地味な私が人気者の幼なじみに溺愛されています。
夏祭りで迷子になった私の手を引いてくれたこともあった。
転んで泣いた時には、誰より先に駆け寄ってくれた。
思い返せば、私の思い出のほとんどに皐月がいる。
それなのに。
どこか違う。
胸の奥が落ち着かない。
懐かしいはずの空気なのに、その先に何かが待っている気がして、胸の奥がじわじわ熱を帯びていく。
「花梨。」
名前を呼ばれる。
真剣な声。
私は顔を上げた。
皐月はまっすぐ私を見ていた。