ネックとプロポーズ
男性の首元は魅力的だ。

そう思っていても、和泉くんの首元と宮原さんのそれでは、見る時のときめきが圧倒的に違う。

たくましい首筋。

喉仏の存在感の大きさ。

魅力はある。

だけど、同じ男性でも、和泉くんとそれ以外の人ではこうも私の気持ちが違うことに驚いた。

洋服に隠れた鎖骨のラインを想像することすら、宮原さん相手では面倒だ。



「……虫、いる?」

「いやー、いないですね」



宮原さんの首をじっくり見るのをやめる。



「良かったぁ。なんか虫のせいで体かゆいとか、マジで無理じゃない?」

「宮原さんは平気そうですけどね」

「どういう意味だよ」
と、宮原さんは相変わらず首に手を当てつつ、愉快そうに笑った。



私もなんとなく笑って、「じゃあ」と踵を返すと、そこには固い表情の和泉くんがいた。



その瞬間。

嫌な予感がした。



「和泉くん」
と呼んでみると、彼はひと言、
「なんで?」
と、呟いた。
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