ネックとプロポーズ

第三話

私の部屋に来ても、和泉くんは玄関で立ったままだった。



「お願い、話そうよ」
と、中から声をかけると、和泉くんは沈んだ声で「お邪魔します」と言い、脱いだ靴をきちんと揃えた。



「なんで怒ってるの?」

「怒ってないよ。瑠衣さんの勘違いだよ」

「嘘言わないで。わかるよ、和泉くんの顔に書いてあるもん」



「じゃあ、言うけど」
と、和泉くんは俯いた。



「瑠衣さんは、誰の首元でもいいの?」



「えっ?」



フリーズ状態になった。

えっ?

待って、待って。



……やっぱりバレてるじゃん!!!



「な、何のこと?」
と、上擦った声でとぼけてみる。



「ずっと瑠衣さんのことを見ているんだから、わかるよ。好きなんでしょう? 首元」

「……っ」



顔から火が出るかと思った。



(そんなにはっきり言葉にしないで……!)



心なしか涙目になってくる。



「でも、誰でもいいわけじゃない」
と、かろうじて声に出して伝える。
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