ネックとプロポーズ
今朝になって、
「今夜は私が和泉くんの部屋に行ってもいい?」
と、さり気なく聞いてみると、
「いや、それはちょっと無理かな」
なんて、サラリとかわされた。



それは今朝だけじゃない。

何日間で何度か言われた言葉。

その回数は数えていないけれど、その度にショックはガッツリと受ける。



「じゃあ、今日もここに来る?」
と尋ねると、和泉くんは、
「仕事が終わったら迎えに行くね」
と、笑ってくれた。



私と会うのは、大丈夫なんだ?

でも、部屋には入れたくないんだ?



グルグル悩みながら失敗しつつも、なんとか今日の仕事を終えて、食堂を出た。

少し歩いたところで、職場の先輩の宮原(みやはら)さんに呼び止められた。



宮原さんは見た感じ怖そうだけれど、面倒見の良いお兄さん的な存在で、同僚はみんな頼りにしている。



「なんかあった?」
と、宮原さんは少し心配そうな表情を私に向けた。



「何もないです」

「嘘だな。まぁ、言いたくないんだったら良いけどさ。仕事に影響が出ないようにしろよ。話したくなったら、いつでも聞いてやるからな」
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