観覧車が止まった夜、片想いが動き出した
ライトアップされた観覧車を見上げる。
光がゆっくりと巡る。
まるで、大きな時計みたいだと思った。

「――時間、気になる?」

東雲さんが、のぞき込んできた。
あまりにも近くて、心臓が大げさに跳ねる。

大きく首を振るしかできない。

東雲さんは、目を細めてふっと笑うと体を戻した。

(うう、心臓に悪いよ……!)

だって、その笑顔に私は惹かれたのだから。

落ち着こうと、ココアを口にする。
ふわりと鼻をくすぐる甘い香りと、
じんわりとした温かさが、身に染み込んでいく。


「そういえば。東雲さんは、お酒飲まないんですか?」

「ああ」

少し間を置いて。

「朝倉さんも参加するって、聞いてたから」

(?)

「……えっと?」

それ以降、何も言わない。
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