─美形ストーカーの狂愛─歪んだ愛が迫り来る。
慌てて愁くんを引っ張って家を出ると
「澪から俺の手を握ってくれるなんて…嬉しいなぁ…ほら…俺とそんなに手を繋ぎたいなら、もっと絡めないと、ね?」
ただ急いで引っ張っただけなのにガッチリと恋人繋ぎにさせられる私の手。
離してみようとしても…離さないよ?と言わんばかりに笑顔で握りしめられる。
「…うぅ…と、とにかく急がないと遅刻しちゃうから急いでくださいっ」
「俺はこのまま遅刻してもいいんだけどなぁ…乃愛の手をもっとじっくり味わいたいからね」
焦る様子のない愁くんは、私の手を愛おしそうに見つめて握りしめる。
私はため息を吐くと、一か八かの作戦に出る。
「…遅刻したら……愁くんは私の彼氏失格……です…。」
その瞬間…凍りつくような恐ろしい笑顔に変わっていく愁くん。
「本気…?」
私だって負けられない…怯んでられない…。
「本気です。遅刻しない男の人のが好きです」