【長編版】冷徹弁護士の甘い執着〜八年前の初恋相手に、もう一度捕らわれる〜
「麻里、大丈夫か?」
『はいっ……!』
「すぐ向かうから待ってて。窓の外はもう覗かなくていい」
怯える彼女の声を聴き、正樹は椅子を蹴るようにして立ち上がった。
デスクの上の重要書類を素早く引き出しに放り込み、鍵をかける。そしてスマートフォンから麻里とは別の連絡先を素早くタップした
「――俺だ。今すぐ鳳の息がかかった民間の警備チームを二班、山崎さんの屋敷へ向かわせろ。周辺のパトロールと不審車への警戒、それから屋敷の警備を最優先で行わせる。……あぁ、費用はいくらかかっても構わない。シンセイ開発が動き出したんだ。今すぐ頼む!」
迅速に命令を下すと、間髪入れずに別の番号へ発信する。山崎の娘、梓の連絡先だった。
「山崎梓さん。以前ご挨拶をさせていただいた福村です。……今、お父様の屋敷の周辺に不審者がいるとの連絡を受けました。お父様と、現地にいる介護士の安全を確保するため、こちらで手配した民間警備を屋敷の敷地内に入れ、周辺をパトロールさせる許可をいただけますか? ……えぇ、そうです。以前お話しした八年前の件に関与した人たちでしょう。……ありがとうございます。それからしばらくの間、お父様の身の安全を確保するため療養施設にご案内したいのですが、その件はまた相談させてください。……はい、お父様は必ずお守りしますよ」
山崎の娘は電話の向こうで動揺していたが、すぐに許可を出してくれた。
(前もって連絡しておいて良かった)
安堵したのもつかの間。正樹は椅子にかかっていたスリーピースのジャケットを引っ掴むと、急ぎ足で事務所を飛び出した。
(八年前は、俺は麻里を失った。だが今は違う。今回こそ麻里を守る)
正樹は心に強く近い、車のエンジンをかけ、思い切りアクセルを踏み込んだ。
『はいっ……!』
「すぐ向かうから待ってて。窓の外はもう覗かなくていい」
怯える彼女の声を聴き、正樹は椅子を蹴るようにして立ち上がった。
デスクの上の重要書類を素早く引き出しに放り込み、鍵をかける。そしてスマートフォンから麻里とは別の連絡先を素早くタップした
「――俺だ。今すぐ鳳の息がかかった民間の警備チームを二班、山崎さんの屋敷へ向かわせろ。周辺のパトロールと不審車への警戒、それから屋敷の警備を最優先で行わせる。……あぁ、費用はいくらかかっても構わない。シンセイ開発が動き出したんだ。今すぐ頼む!」
迅速に命令を下すと、間髪入れずに別の番号へ発信する。山崎の娘、梓の連絡先だった。
「山崎梓さん。以前ご挨拶をさせていただいた福村です。……今、お父様の屋敷の周辺に不審者がいるとの連絡を受けました。お父様と、現地にいる介護士の安全を確保するため、こちらで手配した民間警備を屋敷の敷地内に入れ、周辺をパトロールさせる許可をいただけますか? ……えぇ、そうです。以前お話しした八年前の件に関与した人たちでしょう。……ありがとうございます。それからしばらくの間、お父様の身の安全を確保するため療養施設にご案内したいのですが、その件はまた相談させてください。……はい、お父様は必ずお守りしますよ」
山崎の娘は電話の向こうで動揺していたが、すぐに許可を出してくれた。
(前もって連絡しておいて良かった)
安堵したのもつかの間。正樹は椅子にかかっていたスリーピースのジャケットを引っ掴むと、急ぎ足で事務所を飛び出した。
(八年前は、俺は麻里を失った。だが今は違う。今回こそ麻里を守る)
正樹は心に強く近い、車のエンジンをかけ、思い切りアクセルを踏み込んだ。