君といた日々。
10
お皿に乗っていたクッキーを食べ終わり、僕はある事を思い出した。

「あ、僕図書館に行って父さんの手伝いしないと…」

「図書館?」

フィオナが首を傾げながら聞いてきた。

僕の父さんは、図書館の館長だ。

毎日図書館にいるから、偶に少し本の匂いがすることがある。

「そう。図書館。」

「図書館の息子!」

「まぁそうだね。だから、フィオナとは今日はばいばいだな…」

少し残念な気持ちと寂しい気持ちになった。

しかし、フィオナが体を前のめりになりながら
「付いてくって言ったら嫌?」
と言ってきた。

そう言ってくれたのが嬉しかったが、それとは裏腹に少し、心配でもあった。

本が好きな僕には、癒やしの場でもあり、逃げる場でもある。

でも、フィオナが本好きなのかも分からないし、
今まで友達になれた子達も、退屈、つまらないと言って、離れていってしまった事がある。

せっかくできた友達に、つまらない思いをさせたくないし、失いたくない。

そう思い僕は、断りきらない程度に止める発言をした。

「嫌じゃないけど…退屈かもよ?」

と言うと、フィオナはもっと前のめりになって、

「いい!」

と先程までの心配を消すかのような笑顔で即答した。

その勢いに僕は負けて、「分かった。」と答えた。

しばらくして、母さんが、僕の部屋から借りてた本を持ってきた。

「あれ、父さんに返すねって言ったんだけどなぁ…」

本を受け取りながらそう言うと、「もうっ」と呆れた顔で、

「自分で返しに来い、だって。1週間に3回行ってるんだから、本ぐらい自分で返しなさい?」
と言われてしまった。

少し、気持ちがダルくなるのを感じる。

(持っていってほしかったな…)
と思いながら、僕は本を受け取った。

「…は〜い。」

最近は魔法の練習に夢中だったから、図書館には行けていない。

でもやっぱり、だからって、父さんにお願いして返してもらうのは良くなかったかと、反省した。

図書館に着いたら、父さんに謝ろう。

気持ちを切り替え、僕は本を片手に、フィオナを手招きした。

「じゃあ、行こっか。」

「うん!」

「行ってらっしゃい。」

「クッキー持ってっていいですか?図書館では、食べませんので!」

「いいわよ。沢山持っていって。」

「ありがとうございます!」

残りのクッキーが入っている袋を渡すと、フィオナは嬉しそうに軽くジャンプをした。

「行ってくるね〜」

「行ってらっしゃい〜気をつけてね〜」

玄関の扉を開け、僕達は図書館へと向かった。

外に出ると、フィオナは母さんから貰ったクッキーを頬張った。

「美味しい〜」

「良かったね。」

また今度クッキーを持っていこう。
その時は、自分もクッキー作りを手伝おうと思った。
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