君といた日々。
2
入ってすぐに、母さんが受け付けの人に話しかけ、お見舞いをしに来たことを言った。

「クレア・アルヴィス様のお見舞いですね。分かりました。面会時間に制限はありませんが、日が沈むまでにはお帰りくださるよう、ご協力お願い致します。」

「はい。ありがとうございます。行くよ、シェイド。」

「うん。」

階段を上り、廊下を歩いて、お婆ちゃんの病室の前まで行くと、母さんがコンコンと、扉を叩いた。

「お義母さん?リリィです。」

「あぁ、リリィさん…シェイドも。よく来たね。」

中に入ると、いつもより体調が良さそうなお婆ちゃんが、微笑みながら僕らを待っていた。

病室に入り、おばあちゃんの近くまで行き、抱きしめる。
久しぶりに会ったおばあちゃんは、薬の副作用もあり、前に会った時より細くなっていた。
心が苦しくなる。

そんな事を察せられないよう、僕は明るく振る舞った。

「久しぶり!調子はどう?」

「大丈夫だよ。リリィさん、遠かったでしょ?来てくれてありがとうね。」
と言いながら、母さんの手を優しく握る。

「いえいえ。」

母さんも嬉しそうだった。

「おばあちゃん!」

「ん?」

「見ててね!」

「はい。」
そう言うとお婆ちゃんは、不思議そうに僕のことを見つめた。

「ふふっ頑張って。」
横で母さんの暖かい応援を受け、
「ふぅ…『フローラル』」
と、唱えた。

その瞬間、花が目の前に現れた。

「まぁ!お花を出す魔法…凄い!」

そう言うと、お婆ちゃんは僕の頭を優しく撫でた。
「アレンから教わったの?」

「うん!父さん、凄かった!」

「そう。」

お婆ちゃんが喜んでくれているのを見ると、僕も嬉しくなる。
魔法を覚えたかいがあった。

「このお花、あげるね。」

「いいのかい?」

「うん!」

花瓶に魔法で創り出した花をそっと挿す。
この花が、どうかおばあちゃんを元気にしてくれますように。と、願いながら。

「ありがとう。」

「良かったね。シェイド。」

「うん!」

それから最近あった事や、今読んでいる本の話をしているうちに、空は暗くなり始めていた。

外を見た母さんが、荷物をまとめる。
楽しい時間ほど、あっという間に過ぎてしまう。

「そろそろ、帰りますね。」

(もう、帰る時間か…でも、あまり長く話すとお婆ちゃん、疲れちゃうよね。)

「はい。ありがとうね。」

「またね!お婆ちゃん!」

「またおいで。」

また会う約束をして、僕とお母さんは病室を出た。
「良かったね。シェイド。」

「うん!」
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