君といた日々。
5
こんなにも素敵な歌を披露してもらったから、僕も何かしたい。

(そうだ。)

そこであることを思いついた。

「ねぇ?」

「ん?」

手に魔力を貯め、花をイメージすると、バラが出てきた。

「わっ!バラだ!」

僕は、フィオナの前にバラを差し出した。
フィオナはそれを、じっと見つめている。

「お友達になってくれる?」

そう言うと、フィオナは目を丸くしながら、

「えっ、お友達…」
と、信じられないような顔をしながら言った。

「うん、駄目かな…?」 

こんな急に言われても、困るだけだったか。
そう思った瞬間、フィオナが大きな声で

「〜っ!やった〜!」
と言い、僕に抱きついてきた。

「っ?!」

急に抱きしめられたものだから、びっくりして声が出なかった。
顔が熱くなるのを感じる。

「人間のお友達初めて!嬉しい!ありがとう!」

「う、うん…」

「よろしくね!シェイド!」

「うん!よろしくね!フィオナ。」

お互いの手を出し、握手をした。
フィオナの手は、小さく暖かかった。

夏より少し前の、涼しい空の下。
僕たちは、友達になった。
< 6 / 28 >

この作品をシェア

pagetop