聖女の力のない令嬢の織った布に、冷徹公爵は恋をした。




「綺麗ですね」

「そうだな」


 また沈黙。

 リディアは糸巻きを棚に戻しながら、思い切って言った。



「……何かおっしゃりたいことがあるのでしょうか」


 アルシェが振り返った。


「……気づいていたのか」

「はい」

「そうか」


 彼は少し間を置いた。


「やはりわかるか」

「アルシェ様のことは、少しだけですが……わかるようになりました」


 アルシェはリディアを見た。その目が、夕方の光の中で金色に近い色をしていてとても綺麗だ。




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