アタタメマスカ?
品出しをしている店長らしき人に、恐る恐る尋ねる。

「辞めたよ。10日くらい前、お母さんが亡くなって」

「えっ!」


彼とは、時々メッセージのやり取りをしていたものの、ここ数日それもなくて。
まさか、そんな大変な事になってるなんて……。

「朝方さんは、……その、大丈夫そうでしたか?」

家族想いの優しい人だから心配になった。

「さぁ。家族葬とかで、御悔やみにも行ってないし。まぁ連絡くれた時は暗かったな。当たり前か」

店長は、ダルそうに首を回しながら続けた。

「介護で進学も就職も諦めたって言ってたし、肩の荷が降りたんじゃないかな」

「……」

そうかな。
朝方さん、そんなふうに思うかな。

「もしくは生き甲斐無くして、廃人みたいになってるか」

ゴオォー…と、最後の方は、外のスコールのせいで良く聞こえなかった。


″生き甲斐無くして″


彼なら、あり得るかもしれない。

『死んだから絶対に会えないのと、生きているのに会えないのは、どっちが辛いだろう?』

あの夜の、朝方さんの深い瞳を思い出し、私はいてもたっても居られなくなった。









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