可愛い後輩の天使くんはあざと狼でした
天使side
俺は昔から「可愛い」と言われてきた。色白で、ぱっちりした目で、まつ毛が長くて。女の子みたいだと。身長も165センチと男にしては小さめ。さらには、名前に天使までついてる。だから、「てんしくん」、「エンジェルくん」って呼ばれていた。なんだよそれ、マスコットかよ。と思っていた。
最初は嫌だった。でも、気づいた。求められている“役”を演じた方が、世界は驚くほど扱いやすい。
可愛い穏やかな、“無害な後輩”を演じていれば、人間関係はスムーズだし、仕事も早く覚えられる。
ただ、そのせいで俺は甘党で可愛いもの好きだと思われていた。
入社した一年目のバレンタイン。みんなから配られたチョコ。ありがたい。でも、甘いものは本当に苦手だ。さらに追い討ちのように渡された、いちごミルク。断れない。でも飲んだら確実に吐く。どうしようかと思っていた、そのとき。
「あ〜あまつかくんのいちごミルクおいしそう!
ねぇ、私のコーヒーと交換しない?」
声をかけてくれたのは、黒髪を綺麗に一つにまとめ、すらっとした大人っぽい雰囲気の——新山先輩だった。
普段甘いのなんて飲んでるところ見たことないのに、その一言が、救われたみたいに胸に落ちた。
「どうぞ」
交換した瞬間、ブラックの苦味が喉に落ちていく。
——うまい。生き返る。
「これあっまいね」
そう笑った先輩の顔が、妙に胸に残った。
もしかして、気を遣ってくれた……?
それからだ。俺は先輩のことをよく見るようになった。
水野先輩と仲良くて、マッチョが好きなんだと思ってた。
俺なんて、恋愛圏外だろうな。
でも、諦めたくなくて。ジムに通ってみたり、先輩が集めてるガチャガチャを回してみたり、先輩が好きな薫くんに寄せてみたり。できることは全部した。
このままじゃ、きっと届かないと思ったから。
俺は昔から「可愛い」と言われてきた。色白で、ぱっちりした目で、まつ毛が長くて。女の子みたいだと。身長も165センチと男にしては小さめ。さらには、名前に天使までついてる。だから、「てんしくん」、「エンジェルくん」って呼ばれていた。なんだよそれ、マスコットかよ。と思っていた。
最初は嫌だった。でも、気づいた。求められている“役”を演じた方が、世界は驚くほど扱いやすい。
可愛い穏やかな、“無害な後輩”を演じていれば、人間関係はスムーズだし、仕事も早く覚えられる。
ただ、そのせいで俺は甘党で可愛いもの好きだと思われていた。
入社した一年目のバレンタイン。みんなから配られたチョコ。ありがたい。でも、甘いものは本当に苦手だ。さらに追い討ちのように渡された、いちごミルク。断れない。でも飲んだら確実に吐く。どうしようかと思っていた、そのとき。
「あ〜あまつかくんのいちごミルクおいしそう!
ねぇ、私のコーヒーと交換しない?」
声をかけてくれたのは、黒髪を綺麗に一つにまとめ、すらっとした大人っぽい雰囲気の——新山先輩だった。
普段甘いのなんて飲んでるところ見たことないのに、その一言が、救われたみたいに胸に落ちた。
「どうぞ」
交換した瞬間、ブラックの苦味が喉に落ちていく。
——うまい。生き返る。
「これあっまいね」
そう笑った先輩の顔が、妙に胸に残った。
もしかして、気を遣ってくれた……?
それからだ。俺は先輩のことをよく見るようになった。
水野先輩と仲良くて、マッチョが好きなんだと思ってた。
俺なんて、恋愛圏外だろうな。
でも、諦めたくなくて。ジムに通ってみたり、先輩が集めてるガチャガチャを回してみたり、先輩が好きな薫くんに寄せてみたり。できることは全部した。
このままじゃ、きっと届かないと思ったから。