私の好きな、彼のにおい~雨に降られたら彼の秘密を知りました~
スタッフさんに言われ、手を打っていた。
香水だとばかり思っていたが、スモーキーな香りならお香もありうる。
というか、香水よりもお香のほうが近いかもしれない。
「ありがとうございます。
ちょっとお香、試してみます」
「見つかるといいですね」
「はい。
あと、新作のこれ、ください」
「いつもありがとうございます」
にっこりと彼女が笑う。
我が家にはこうやって香水が溜まっていく一方なので、早く浅倉くんのにおいを特定したいところだ。
お香は燃やさないとにおいはわからないのでいろいろな系統を何種類か買って気持ちが悪くなるほど試したが、やはり特定はできなかった。
けれど、少しだけだが彼のにおいに近づいたような気はした。
その日、仕事が終わって会社を出ると雨が降っていた。
「嘘でしょ……」
残念ながら傘は持っていない。
そもそも今日は雨予報ではなかった。
立ち尽くしていると、隣に誰かが立った。
「雨だな」
「うん、雨だ」
彼――浅倉くんに答える。
「立花、傘、持ってんの?」
眼鏡の奥から彼は、私を見つめた。
「残念ながら持ってない」
「ふぅん」
香水だとばかり思っていたが、スモーキーな香りならお香もありうる。
というか、香水よりもお香のほうが近いかもしれない。
「ありがとうございます。
ちょっとお香、試してみます」
「見つかるといいですね」
「はい。
あと、新作のこれ、ください」
「いつもありがとうございます」
にっこりと彼女が笑う。
我が家にはこうやって香水が溜まっていく一方なので、早く浅倉くんのにおいを特定したいところだ。
お香は燃やさないとにおいはわからないのでいろいろな系統を何種類か買って気持ちが悪くなるほど試したが、やはり特定はできなかった。
けれど、少しだけだが彼のにおいに近づいたような気はした。
その日、仕事が終わって会社を出ると雨が降っていた。
「嘘でしょ……」
残念ながら傘は持っていない。
そもそも今日は雨予報ではなかった。
立ち尽くしていると、隣に誰かが立った。
「雨だな」
「うん、雨だ」
彼――浅倉くんに答える。
「立花、傘、持ってんの?」
眼鏡の奥から彼は、私を見つめた。
「残念ながら持ってない」
「ふぅん」