君の隣。~一番愛した人の裏切り、泥沼のモラハラ彼氏。傷だらけの私を最後に救ったのは、10年間私を忘れられずにいた「親友の元彼」でした~
終わった恋への返事
雅人とのLINEが、なんとなく続いていたある日のこと。
学校の廊下で、いつもの4人で集まって話していた時に、私は何気なくみんなに打ち明けてみた。
「そういえば、元カレから連絡がきて、今ちょっと連絡取り合ってるんだよね」
今の4人の居心地の良さに甘えて、ちょっとした近況報告のつもりだった。
「……まだ好きなのか?」
いつもより少し低い声で、まっすぐに聞いてきたのは、勇斗だった。
「なんでまだ連絡取り合ってるんだよ。やめとけよ、そんなやつ」
隣から、新太があからさまに面白くなさそうな顔をしてぶっきらぼうに吐き捨てる。
「柚那にまだ未練があるとかかなぁ?」
美波は、うーん、と首を傾げて不思議そうに私を見つめた。
3人からの一斉のリアクション。
だけど私は、勇斗の言葉にどうしても頷くことができなかった。
ただ懐かしくて返事をしていただけ。
だけど勇斗に言われて初めて、自分の心がちっとも「好き」という方向に動いていないことに気がついた。
「……うーん、どうなんだろ。自分でもよく分かんないや」
結局、その場はそう言って言葉を濁してやり過ごすことしかできなかった。
ーーーーーーーーーーー
あの日から、私はずっと自分の気持ちと向き合っていた。
雅人との思い出はたくさんある。
でも、別れる直前の彼の冷たい態度も、あのあっけない別れ方のときも、私はちっとも大事にされていなかった。
勇斗の言葉でハッとするまで、私はただ過去にしがみついていただけだったんだ。
(もう、やり取りを続ける意味なんてない)
そう気づいてからしばらく、私は雅人への返信をわざと止めていた。
もう終わりにしよう。そう心に決めて、最後の文章をスマホに打ち込んでいく。
『返事遅くなってごめんね。自分なりにいろいろ考え……』
ここまで打ったその瞬間、タイミングを合わせたかのように雅人から新しいLINEが届いた。
『忙しいかな? スマホ見られたら、ちょっと電話したいんだけどいい?』
……ちょうどいい。LINEじゃなくて、ちゃんと声で伝えよう。
私は打ちかけた文章を消して、自分から雅人に電話をかけた。
「もしもし! 柚那、電話ありがとう!」
「ううん、大丈夫だよ。あのさ、私から伝えたいことがあって……」
「ごめん、その前に聞いてほしい。俺、やっぱり柚那のことが忘れられないんだ。あんな最悪な別れ方して今さらだけど、もう一度やり直したい」
胸の奥が、ほんの少しだけツンと痛んだ。
前までの私なら泣いて喜んでいたかもしれない。
だけど、今の私の心にはもう別の景色が広がっていた。
「ごめん」
私は、まっすぐな声で言葉を紡いだ。
「連絡をくれて、私なりに一生懸命考えたんだ。でも、私にはもう、雅人とやり直すことは考えられない。もう連絡もできないし、会うこともできない。ごめんね」
電話の向こうで長い沈黙が流れたあと、雅人が諦めたような声を漏らした。
「……そっか。わかった。ごめん。これで最後にする。今までありがとな」
「うん。野球、これからも頑張ってね。それじゃあね」
ツーツー、と無機質な音が響き、通話を切った。
体の奥からどっと重い疲れが押し寄せてきたけれど、胸のうちは驚くほどすっきりと晴れ渡っていた。
私はスマホを机に置くと、そのままベッドに横になり、深い眠りについた。
学校の廊下で、いつもの4人で集まって話していた時に、私は何気なくみんなに打ち明けてみた。
「そういえば、元カレから連絡がきて、今ちょっと連絡取り合ってるんだよね」
今の4人の居心地の良さに甘えて、ちょっとした近況報告のつもりだった。
「……まだ好きなのか?」
いつもより少し低い声で、まっすぐに聞いてきたのは、勇斗だった。
「なんでまだ連絡取り合ってるんだよ。やめとけよ、そんなやつ」
隣から、新太があからさまに面白くなさそうな顔をしてぶっきらぼうに吐き捨てる。
「柚那にまだ未練があるとかかなぁ?」
美波は、うーん、と首を傾げて不思議そうに私を見つめた。
3人からの一斉のリアクション。
だけど私は、勇斗の言葉にどうしても頷くことができなかった。
ただ懐かしくて返事をしていただけ。
だけど勇斗に言われて初めて、自分の心がちっとも「好き」という方向に動いていないことに気がついた。
「……うーん、どうなんだろ。自分でもよく分かんないや」
結局、その場はそう言って言葉を濁してやり過ごすことしかできなかった。
ーーーーーーーーーーー
あの日から、私はずっと自分の気持ちと向き合っていた。
雅人との思い出はたくさんある。
でも、別れる直前の彼の冷たい態度も、あのあっけない別れ方のときも、私はちっとも大事にされていなかった。
勇斗の言葉でハッとするまで、私はただ過去にしがみついていただけだったんだ。
(もう、やり取りを続ける意味なんてない)
そう気づいてからしばらく、私は雅人への返信をわざと止めていた。
もう終わりにしよう。そう心に決めて、最後の文章をスマホに打ち込んでいく。
『返事遅くなってごめんね。自分なりにいろいろ考え……』
ここまで打ったその瞬間、タイミングを合わせたかのように雅人から新しいLINEが届いた。
『忙しいかな? スマホ見られたら、ちょっと電話したいんだけどいい?』
……ちょうどいい。LINEじゃなくて、ちゃんと声で伝えよう。
私は打ちかけた文章を消して、自分から雅人に電話をかけた。
「もしもし! 柚那、電話ありがとう!」
「ううん、大丈夫だよ。あのさ、私から伝えたいことがあって……」
「ごめん、その前に聞いてほしい。俺、やっぱり柚那のことが忘れられないんだ。あんな最悪な別れ方して今さらだけど、もう一度やり直したい」
胸の奥が、ほんの少しだけツンと痛んだ。
前までの私なら泣いて喜んでいたかもしれない。
だけど、今の私の心にはもう別の景色が広がっていた。
「ごめん」
私は、まっすぐな声で言葉を紡いだ。
「連絡をくれて、私なりに一生懸命考えたんだ。でも、私にはもう、雅人とやり直すことは考えられない。もう連絡もできないし、会うこともできない。ごめんね」
電話の向こうで長い沈黙が流れたあと、雅人が諦めたような声を漏らした。
「……そっか。わかった。ごめん。これで最後にする。今までありがとな」
「うん。野球、これからも頑張ってね。それじゃあね」
ツーツー、と無機質な音が響き、通話を切った。
体の奥からどっと重い疲れが押し寄せてきたけれど、胸のうちは驚くほどすっきりと晴れ渡っていた。
私はスマホを机に置くと、そのままベッドに横になり、深い眠りについた。