君の隣。~一番愛した人の裏切り、泥沼のモラハラ彼氏。傷だらけの私を最後に救ったのは、10年間私を忘れられずにいた「親友の元彼」でした~
つながる点と、ざわめく心
美波、新太、私の3人で話すようになってしばらくした頃。休み時間の廊下で、新太がこちらへ歩いてきた。
「おーい、柚那!」
新太は私の前で立ち止まると、隣の彼を指差してニカっと笑った。
「あ、紹介するよ。こいつ、鈴村勇斗(すずむらゆうと)。同じクラスなんだけど、野球部でさ」
「初めまして、鈴村です」
新太に促され、彼は少し照れくさそうに頭を下げる。
私は心の中で「あ!」と小さな声を上げた。
(……入学式の日に見た、あの子だ)
隣のクラスから溢れてきた生徒たちの列の中で、ふと視界に入った男の子。坊主頭で、背が高くて、顔がすごく小さくて――。記憶の片隅にいたその子が、今こうして目の前で笑っている。
偶然の再会に、私は少しだけ胸を高鳴らせた。
それからというもの、休み時間は4人で過ごすのが当たり前になっていった。
部活の愚痴をこぼし合ったり、昨日見たテレビの話で大笑いしたり。
そんな他愛のない話をしている時間が、私にとっては何よりも心地よかった。
雅人と別れてどん底まで傷ついていたときも、彼らのおかげで私はどれだけ救われただろう。
重い話題でも、みんなが「それはひどいね」と一緒に怒ってくれたり、「柚那は悪くないよ!」と笑い飛ばしてくれたりしたおかげで、私の心は少しずつ軽くなっていった。
そうやって3人に囲まれて笑っているうちに、あんなに苦しかった雅人への未練は、いつの間にか綺麗に消え去っていた。
ちなみに、私たちの恋愛事情はというと――。
美波は、大好きな推しのアイドルに相変わらずぞっこん。
新太は同じクラスに気になっている女の子がいて、「今、ちょうど良い感じなんだ」と照れくさそうに近況を報告してくれた。
勇斗は連絡をとっている女の子はいるみたいだけれど、とくになんとも思っていなさそうだった。
それから、さらにしばらく経った頃のことだ。
新太と勇斗から、ほぼ同じ時期に「彼女ができた!」と報告を受けた。
「ええっ、2人とも!? すごいじゃん、おめでとう!」
美波と一緒に心からの祝福を伝えた。
2人ともかっこよくて優しいから、彼女ができるのは当然だ。
けれど、笑顔でお祝いの言葉を口にしながらも、私の胸の奥には、冷たくてざらりとした寂しさがじわじわと広がっていた。
(彼女ができたなら、もうこうして廊下に集まって話すことはできなくなるのかな……)
そんなことを考えると、急に足元がすーっと冷えていくような気がした。
友達の幸せを心から喜びたい気持ちの裏側で、私は一人だけポツンと取り残されたような、やり場のない切なさを感じていた。
「おーい、柚那!」
新太は私の前で立ち止まると、隣の彼を指差してニカっと笑った。
「あ、紹介するよ。こいつ、鈴村勇斗(すずむらゆうと)。同じクラスなんだけど、野球部でさ」
「初めまして、鈴村です」
新太に促され、彼は少し照れくさそうに頭を下げる。
私は心の中で「あ!」と小さな声を上げた。
(……入学式の日に見た、あの子だ)
隣のクラスから溢れてきた生徒たちの列の中で、ふと視界に入った男の子。坊主頭で、背が高くて、顔がすごく小さくて――。記憶の片隅にいたその子が、今こうして目の前で笑っている。
偶然の再会に、私は少しだけ胸を高鳴らせた。
それからというもの、休み時間は4人で過ごすのが当たり前になっていった。
部活の愚痴をこぼし合ったり、昨日見たテレビの話で大笑いしたり。
そんな他愛のない話をしている時間が、私にとっては何よりも心地よかった。
雅人と別れてどん底まで傷ついていたときも、彼らのおかげで私はどれだけ救われただろう。
重い話題でも、みんなが「それはひどいね」と一緒に怒ってくれたり、「柚那は悪くないよ!」と笑い飛ばしてくれたりしたおかげで、私の心は少しずつ軽くなっていった。
そうやって3人に囲まれて笑っているうちに、あんなに苦しかった雅人への未練は、いつの間にか綺麗に消え去っていた。
ちなみに、私たちの恋愛事情はというと――。
美波は、大好きな推しのアイドルに相変わらずぞっこん。
新太は同じクラスに気になっている女の子がいて、「今、ちょうど良い感じなんだ」と照れくさそうに近況を報告してくれた。
勇斗は連絡をとっている女の子はいるみたいだけれど、とくになんとも思っていなさそうだった。
それから、さらにしばらく経った頃のことだ。
新太と勇斗から、ほぼ同じ時期に「彼女ができた!」と報告を受けた。
「ええっ、2人とも!? すごいじゃん、おめでとう!」
美波と一緒に心からの祝福を伝えた。
2人ともかっこよくて優しいから、彼女ができるのは当然だ。
けれど、笑顔でお祝いの言葉を口にしながらも、私の胸の奥には、冷たくてざらりとした寂しさがじわじわと広がっていた。
(彼女ができたなら、もうこうして廊下に集まって話すことはできなくなるのかな……)
そんなことを考えると、急に足元がすーっと冷えていくような気がした。
友達の幸せを心から喜びたい気持ちの裏側で、私は一人だけポツンと取り残されたような、やり場のない切なさを感じていた。