元カノの恋愛小説が映画になったので、忘れたはずの初恋が大ヒット上映中です

牽制とビターチョコレート

レストランに入ると、すぐにウェイターが席を案内してくれる。

席に着くとメニューを渡され、ドリンクを注文すると、飲み物はすぐに届いた。

食べ物の注文は、今日の目的は未来のスイーツなので、軽めにスープとメインディッシュだけ頼む。

「あぁ……緊張した」

注文を終えると、佐藤さんはそう言って、背もたれにもたれる。

「誠さんでも緊張するんですね」

理緒が佐藤さんに笑い掛けた。
つい、ムッとしてしまう。

「よく言われるけど、俺だって緊張することあるからな?」

「少なくとも、顔には出てないですよ」

そんな理緒の佐藤さんに対する気の置けない態度が気に食わない。

「あの……佐藤さんは、何者なんですか?」

「ん? だから、会社の代表だな」

彼は手元のグラスを軽く揺らし、飄々とした笑顔で言った。

「って言っても、身内四人だけのスタートアップ企業だけど」

「いえ……そうじゃなくて……」

「すごい高校通ってたり、起業したり……普通じゃないなって……」

「はは〜ん……俺に興味ある?」

佐藤さんの目が、鋭くなった。

それから、こちらへ耳打ちしてくる。

「それとも、理緒の側にいる男が気になる?」

「なっ……」

返す言葉が浮かばず、固まる。

理緒は、不思議そうな顔でこちらを見ていた。
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