元カノの恋愛小説が映画になったので、忘れたはずの初恋が大ヒット上映中です
ハッとして我に返り、司会進行へ戻る。

「はい。ということで、自分は特別ではないと思っている人でも、未来で成功するための鍵は、すでに持っているかもしれない――そんなお話でした。

それでは、本日講師として来校してくださった神崎理緒先生を、拍手でお見送りしましょう」

会場が拍手に包まれる。

理緒は生徒たちの間を手を振りながら歩いていく。

体育館の出口で理緒が振り返った。

また目が合った気がしたが、すぐに遠山先生が理緒を案内していった。

――何もないはずだ。

理緒はわざわざ何かを言うような人じゃない。

それでも、理緒と遠山先生が二人で歩いている姿を想像すると、妙に落ち着かなくなる。

「それでは――」

マイクへ向かって話す。

「各学年ごとに教室へ戻ります」

普段と変わらない教師を装う。

だが心の中では、体育館の生徒たちを一刻も早く送り出したい気持ちでいっぱいだった。
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