腕まくりイケメンバーテンダーの秘密
 疑惑の感情を向けている相手は、私ではなく山岸さんだった。蒼宮君は、なぜか彼を睨みつけている。そして山岸さんは急に顔を強張らせ、視線を泳がせる。

「今度彼女に近付いたら、俺が容赦しないからな。城崎(しろざき)

 私は意味も分からず、山岸さんと蒼宮君の顔を見比べる。

 城崎って? それに、彼はなぜか蒼宮君に怯えているように見える。
 この状況はどういうこと? それに、蒼宮君はいったい……何者?

 蒼宮君に腕を掴まれ、強引に店の外へ出る。彼は何も言わず、ただ私を引っ張るだけだった。

「あ、あの……」
「菜津さんはどうして俺からは逃げたのに、あんな奴の誘いについて行くの?」

「で、でも。山岸さんは別に何も……」

 何をそんなに怒っているのか分からず、私は彼の手に誘導され、パーキングに停められた黒いSUV車の前へ連れて来られた。

「詳しく説明するから乗って」

 仕方なく案内された助手席に乗り込む。彼は運転席に座り、車を発進させた。
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