腕まくりイケメンバーテンダーの秘密
考え込んでいるうちに彼は別の客に呼ばれ、行ってしまった。
せっかくのチャンスなのに……。
その夜は声を掛ける勇気も出ず、逃げるようにその店を出た。
あれから月に数回、その店を訪れてみるけれど、お目当ての彼がいつもいるわけじゃない。
結局、時々あの腕に見とれるだけで、自分から一歩を踏み出すことなんてできそうもなかった。冒険するにはハードルが高すぎる。
きっと妄想しているくらいが、ちょうどいいのかも……。
*
「はぁぁ……」
「菜津。迷惑だから、ため息やめて!」
ランチタイムに同期の美里から注意を受けた。彼女は超現実主義者だ。大学時代に知り合った彼と最近結婚したばかり。堅実な人生を歩んでいる。
「でもね、美里。カウンターに立ってシェイカーを振る、その腕がとっても素敵で……」
「はいはい、バーテンね。チャラいし、女癖悪い率高くて、遊ばれるの確定。だから絶対に惚れちゃダメ!」
真っ当な人から真っ当なことを言われるって、一番響くなぁ……。
せっかくのチャンスなのに……。
その夜は声を掛ける勇気も出ず、逃げるようにその店を出た。
あれから月に数回、その店を訪れてみるけれど、お目当ての彼がいつもいるわけじゃない。
結局、時々あの腕に見とれるだけで、自分から一歩を踏み出すことなんてできそうもなかった。冒険するにはハードルが高すぎる。
きっと妄想しているくらいが、ちょうどいいのかも……。
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「はぁぁ……」
「菜津。迷惑だから、ため息やめて!」
ランチタイムに同期の美里から注意を受けた。彼女は超現実主義者だ。大学時代に知り合った彼と最近結婚したばかり。堅実な人生を歩んでいる。
「でもね、美里。カウンターに立ってシェイカーを振る、その腕がとっても素敵で……」
「はいはい、バーテンね。チャラいし、女癖悪い率高くて、遊ばれるの確定。だから絶対に惚れちゃダメ!」
真っ当な人から真っ当なことを言われるって、一番響くなぁ……。