腕まくりイケメンバーテンダーの秘密
「うん……」
「菜津のために言ってるんだよ。いい人紹介してあげるから。ね!」

 そう言ってくれるのはありがたい。だけど美里が紹介してくれる人って、四角四面の好みじゃないタイプばかり。現実はうまくいかない……。
 
 私には痛い過去がある。
 一度目は大学生の時。彼には本命がいて、私は常に二番手だったと後から知った。

 そして二度目は社会人の時。同期の彼で、付き合い始めは大事にされていたはずが、いつの間にか彼は趣味のキャンプにはまり、そこで知り合った女性と浮気され、別れた。

 もう失敗したくはない崖っぷち。だからこそ、幸せになりたい。
 正体不明のバーテンダーにうつつを抜かしている場合じゃないことぐらい、美里に言われなくても充分わかってる。

 ――でも、好きなものは、やっぱり好き。

 だから、やはり気になってしまうのは……あの腕まくりした時に現れる前腕なのだけれど……。


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