腕まくりイケメンバーテンダーの秘密
2.迫られて
月末の残業を終えて疲れ果てた私は、気が付くと、あのバーの前にいた。
行ってはいけないと思うほど、行きたくなってしまうもので。あの腕を、もう一度だけ見れたら諦める。そんな思いで店のドアを開けた。
遅い時間のせいか、店内はひっそりとしていてお客さんが少ない。バーカウンターには憧れの人……ではなく、ゆるふわパーマの細身の男性が立っていた。
ガッカリしながら、仕方なく店の奥にある二人用のテーブル席に座る。注文したカクテルをちびちび飲んで、諦めて帰ろうとしていた矢先、目の前にスラリと背の高い男性が現れた。
「よくここへ来ている方、ですよね?」
適度に低く心地良い穏やかな声に、慌ててその顔を凝視する。声を掛けてくれたのは、あの憧れのバーテンダーだった。
「え、えっと、こんばんは。私のこと……覚えてるんですか?」
「もちろん。時々、カウンター席の隅に座ってますよね」
「は、はい……」
彼はいつもの黒いマスク姿。でも髪型はしっかりセットされていて、スッキリとした二重の目元が露わになっている。
まさか彼に認識されているとは思わず、恥ずかしさに視線を泳がせた。
行ってはいけないと思うほど、行きたくなってしまうもので。あの腕を、もう一度だけ見れたら諦める。そんな思いで店のドアを開けた。
遅い時間のせいか、店内はひっそりとしていてお客さんが少ない。バーカウンターには憧れの人……ではなく、ゆるふわパーマの細身の男性が立っていた。
ガッカリしながら、仕方なく店の奥にある二人用のテーブル席に座る。注文したカクテルをちびちび飲んで、諦めて帰ろうとしていた矢先、目の前にスラリと背の高い男性が現れた。
「よくここへ来ている方、ですよね?」
適度に低く心地良い穏やかな声に、慌ててその顔を凝視する。声を掛けてくれたのは、あの憧れのバーテンダーだった。
「え、えっと、こんばんは。私のこと……覚えてるんですか?」
「もちろん。時々、カウンター席の隅に座ってますよね」
「は、はい……」
彼はいつもの黒いマスク姿。でも髪型はしっかりセットされていて、スッキリとした二重の目元が露わになっている。
まさか彼に認識されているとは思わず、恥ずかしさに視線を泳がせた。