久我くんの過保護が止まらない!
ようやく止まったが、手は離さない。

依然と両手で握ったまま、きらきらした目で見上げている。

「兄ちゃんだ……」

感動していた。

すごく感動していた。

もはや推しに会ったファンみたいになっている。

一方、クラスメイトたちは混乱していた。

「兄?」

「え?」

「久我くん兄なの?」

「弟いたの!?」

「初耳なんだけど!?」

大騒ぎである。

当然だ。

湊は家族の話をほとんどしない。

陽菜と父親の話はたまに出るが、実家側の話は皆無だった。

突然現れた謎の少年に困惑するのも無理はない。

なにせ、陽菜すら弟の存在を知らなかったのだから。

「兄ちゃん!」

「うるっさいわ」

「兄ちゃん!」

「聞こえとるっちゅーの」

「兄ちゃん!」

「ああもう、連呼すな!」

全然効いていない。

それどころか、渚は嬉しそうだった。

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