久我くんの過保護が止まらない!
「で、何。」

渚は少し言いにくそうに視線を逸らした。

普段は明るく、人懐っこい。

転校してきたばかりだというのに、もうクラスにも馴染み始めている。

そんな渚が、珍しく緊張していた。

「……兄ちゃん。」

「ん。」

「俺さ」

一度、言葉を飲み込む。

そして―――

「陽菜さんのこと、好きになっちゃったかもしんない」

二人の間に、ぬるい風が吹いた。

二人しかいない屋上で、その言葉だけが妙にはっきり響いた。

「……。」

渚の言葉を聞いても、湊の表情は変わらない。

いつものように、無愛想な無表情だ。

けれど、渚には分かった。

言葉を発した一瞬、湊の瞳が揺れたことを。

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