久我くんの過保護が止まらない!
数十分前まで肉抜き判決に怯えていた人間とは思えない。

陽菜は呆れた顔で食器をまとめた。

「お父さん、お皿お願い」

「はい」

「湊はテーブル拭いて」

「ん」

二人とも素直に動く。

これも一ノ瀬家の日常だった。

食器洗いを終えた後。

陽菜は小さな保存容器に肉じゃがを取り分けた。

じゃがいもと人参、それからお肉も少し。

ラップをかける。

それを持ってリビングの隅へ向かった。

そこには小さな仏壇があった。

母の仏壇だ。

陽菜は慣れた手つきで肉じゃがを供える。

「今日は肉じゃがだよ」

誰に聞かせるでもなく呟いた。

写真の中の母は穏やかに微笑んでいる。

もう何年も前の写真なのに、不思議と色褪せない。

陽菜は静かに手を合わせた。

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