久我くんの過保護が止まらない!
母が亡くなったのは小学生の頃だ。

悲しくなかったわけじゃない。

寂しくなかったわけでもない。

けれど、母は最後まで笑っていたから。

陽菜も、泣いてばかりはいられなかった。

――お母さんならどうするかな。

気付けばそれが癖になっていた。

手を合わせ終え、顔を上げる。

「今日ね」

ぽつりと話しかける。

「スーパーでクーポン貰ったの」

少し嬉しそうな声だった。

「十パーセント引き」

本当に、これはなかなか大きい。

「あと、お父さんが高級プリン全部落としちゃったの。」

仏壇の向こうで母が笑った気がした。

「だから危うく肉抜きだったんだよ」

くすっと笑った。

「陽菜。」

不意に後ろから声がした。

湊だった。

「ん?」

「春佳さんの花、替えといた」

「あ、ありがとう」

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