終着駅のワンナイトは終わらない〜策士なイメチェン元後輩(一見ワンコ)の執着に囚われました〜【一話から】
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「雪那さん、許してくれるの?」
三週間ぶりに見た玲司はぶかっとしたセーターを着ていて、確かに痩せたようだった。元も細身だから薄くなったような気がする。
けれどその表情はパッと晴れやかで、やっぱり犬のようだ。
ご飯を食べに行こうと誘ったら秒で返事が返ってきた。
こんなに綺麗な顔をして、ちょっと頭がおかしい女信者がいて、口では塩対応の話をするのに全然御せてなくて、本人もやることが極端でおかしくて、でもやっぱり雪那には従属的で、表情が可愛い。
「ごめんね、話をしたいって言ったとおり」
「……そう」
対面でしょんぼりとさせてしまったが、これは雪那のケジメだ。
「玲司くんはさ」
名前を呼んだからか、玲司がまた少しだけ笑みを見せる。ズルい、顔がいい。雪那はなるべく視線を逸らせながら続けた。
「私にどうなって欲しい?」
「……どう?……ごめんね、どう言う意味?」
「前に、けっ、結婚したいとか……言ってたじゃない?」
「うん、今も思ってる」
「なんで……は置いといて、それはさ、どうなりたいから?サポートをして欲しい?家庭に入って欲しいとか、そういう?」
玲司は少し黙っていた。チラリと視線を上げるときょとんと丸い目に出会う。
「……考えたらことなかった、かな」
「ないの?」
うん、と玲司は頷いた。それからテーブルの上に肘をつき、両方の指先を揃えて眉間のあたりうずめていた。
「なんか……そうか、おかしいな……」
「どうしたの?」
そのままだんだんと耳が赤くなっていくので驚く。
「俺……ただ、雪那さんと一緒にいたいって……だけで……その先を何にも考えてなかった。いつだって先が見えて、分かるように生きてきたのに……一緒にいて欲しいって。いつでも顔が見たいって……」
やがては顔全体を覆ってしまった。
次に来る沈黙に、雪那はどうしたらいいかわからない。雪那も黙り込んでしまったので、二人でただただテーブルを見ていた。
「俺ね」
気まずさに水を飲み干してしまったあたりで、玲司がポツン、と口火を切った。
「雪那さんが好きなんだ。もうわけがわかんないけど。でも、笑って欲しいし笑いかけて欲しいし俺に頼って欲しいし俺の前では泣いて欲しい。全部、全部見たい。本当は他のやつに笑いかけないでも欲しいけど……」
切実な口調は、嘘を言っているようには思えない。
透明なガラス水槽に入れてずっと見ていたいと言った玲司を思い出した。
「私、二番目に付き合った人が酷くて、束縛とか無理なの。報告しろとか行動を禁止されるの、とても、嫌だった」
「うん、知ってる。俺はそんなことしない。だって雪那さんが笑ってくれないの嫌だ……ただ、見守りたかっただけ。助けたかっただけ。もう勝手にそんなことしないから。絶対しない」
その真っ直ぐな視線に、彼が全部知ってることを理解して、でもゾワリとはしなかった。詮索されるのは嫌だったはずなのに。
ただ、この人は一時的な熱病に、思いのままにならないことに、振り回されているのでは?と思った。初めてのおもちゃを手に入れた子供みたいに。必死で自分のペースも掴めず。
「玲司くんはさ」
「……うん。はい」
「無理してない?無理に私に好かれる人間になろうとしてない?自分を顧みて大切にできてないんじゃない?」
また沈黙だった。わからないとばかりに眉が寄っている。
年下ながら頼り甲斐があってなんでもできる玲司のイメージからどんどんとかけ離れていく。それは情けないではなくて、可哀想で、少し可愛いなと思った。
「私といてかなり無理していたよね?仕事も無茶苦茶でさ、毎日寝不足で不規則な生活して。今は体壊してない?」
「……平気だよ」
「そう?全然食べてないけど」
「話、が……気になって喉を通らない」
フォークも持たない玲司に薦めるようにサラダを口にしてみたけれど、やはり玲司はテーブルの上から手を動かそうとはしなかった。きっとすごく緊張をしているのだろう。同じ立場だったらきっと雪那も平然としてはいられなかったと思う。
だからごくんと一口飲み込んで、顔を上げた。
「玲司くん、私ね、ここ最近、玲司くんが会社にいて一緒に頑張ってた時のことを思い返して、すごく楽しかったなって思った。そりゃあもうクレームクレームできつかったけどね」
急に、何を話し始めるのだと警戒した顔を玲司がする。
「それでね、再会した後に、玲司くんといるのも楽しかったよ。なんだろう。気を張らなくていいってこう言うことかってわかったし。色々な知識が増えて、いつも頑張ってるねって褒めてくれたことも嬉しかった」
「な、んで……全部、過去形? 嫌だよ、もうしないから……っ」
ガタン、と椅子が揺れた音がする。立ちあがろうとした玲司に落ち着いてと手で制した。
「まず、聞いて欲しいの。玲司くんはさ、私のことをたくさん知ってるけど、私を見誤ってるんだと思う」
「どう言うこと?」
「私が何に怒ってるかわかる?」
「……勝手に雪那さんのこと調べて逃げないように見張ろうとしたから?既成事実から作ろうとしたから?雪那さん助けるためって雪那さんの罪悪感煽って離れにくいようにしたから?」
「そんなこと思ってたの?でも、違う。私ね、玲司くんの手心一つで吹けば飛ぶくらいならものしか積み上げてこなかった自分が嫌なの」
「……ごめん。わからない」
「そうだよね。なんとなく玲司くんはわからない気がしてた。強者ってそうだよね」
どんなに努力しても試合で全く歯が立たず視界にも入れなかった相手のように。絶望的なまでの才能の違いは、異分野でも胸がつまる。雪那はいい子の仮面を被って愚直に力んでそれなりにの成績でチヤホヤされ、でも特別にはなれない人間。玲司みたいな夢を叶える魔法はついぞ使えない。
「雪那さんまでなんで俺を異物みたいに言うの?俺は普通じゃないところもあるけど、でも、雪那さんに対しては普通で頑張ってるのに!」
玲司のその苛立ちにきっと彼も色々思うところがあるんだろう。けれど雪那は黙らなかった。
「普通とは思えないけど、頑張ってくれたのは何となくわかる。でも、私が許せないのは、私を褒めて気を抜かせてくれたと思った玲司くんが色々裏で画策して下駄を履かせて、一番、私を認めてくれていなかったこと」
「違う、そんなつもりじゃない!雪那さんに喜んで欲しくて」
「人からお情けでもらったもので喜ぶほどプライドが低くなくてごめんね。芦本さんは光栄に思えって言うけど」
「また優希?なんなんだよアイツ!関わるなって言ってるのに!」
「玲司くんのためを思って先回りしてるんでしょ?私が折れたら玲司くんが喜ぶと思って」
「勝手に……そんなんで俺が…………ぁ」
「ね。同じことでしょ?結果さえあれば嬉しい?どんな経緯でも?」
「ち、が……俺、そんな……ほとんど雪那さんの力で……」
「うん、私も元々玲司くんがたくさん私のためを思ってしてくれたことの素地があったから玲司くんのことを好きになったよ」
「好……!」
ぱっと玲司の顔が赤くなった。
「だから、彼女も。背中を押す意味だと思う。私が玲司くんの役に立つように、それが一番いいって。私が玲司くんのために、玲司くんを優先すればそれが一番いいって」
できないなら消えろ、いなくなれ、という脅しはなんとなく口にすることが憚られた。彼女にしてみたらきっと雪那は目障りでしかない。たとえそれが彼女自身の我欲であり、玲司とは関係なくても、その必死さはわからないこともなかった。
きっと、それだけ、彼女は真剣なんだろう。真っ直ぐぶつかってくる分、陰口を流されるよりはマシだ。
「アイツそんなことを雪那さんに言ってるの?!ふざけるなよ」
「ごめんね。玲司くんが口を出すと余計うるさいと思うから黙っていて」
「なんで雪那さんが気を使うの!」
「ただの比較話として聞いて。自衛してるし気にしてないよ。ねえ、玲司くん。仮に私が折れて玲司くんと結婚するって言って、仕事を辞めて、あとから本当はこんなことがあって不本意だったよって聞いたら、それでも嬉しい?」
「嬉しいわけがない。俺は、ただ雪那さんに笑って欲しいだけなのに……物理的に一緒にいれたらいいだけじゃない。不本意だなんて……そんなの、全然……。ごめん、すぐにやめさせる。アイツ絶対に許さない」
「だからたとえ話だからいいよ。それより、同じことだよ。あなたが私にしたことは、同じだよ。素地があればいいじゃない。紛い物だったことが、人に胸を張れないことが、ショックで悔しくて怒ってる」
怒りに満ちていた彼の瞳が翳り、潤んで、そのまま項垂れた。
「……ごめんなさい。本当に、そういうつもりじゃなくて。過去は取り戻せないけど……何したら、許してくれる?何でもするから、捨てないで」
「じゃあ。賭けをしよう、玲司くん」
賭け?と玲司の唇がゆるりと動く。雪那は頷いた。
「玲司くんの名前と、私が売り込むうちの製品と。どっちが勝つのか。玲司くんが勝ったら、私はキッパリ仕事辞める。玲司くんのところに行くよ。その代わり私が勝ったら、別れよう。連絡先も全部消して、二度と私を詮索しないって約束して」
玲司の瞳が困惑と驚愕に見開かれて、次に、今にも泣きそうに歪んだのがよくわかった。
「雪那さん、許してくれるの?」
三週間ぶりに見た玲司はぶかっとしたセーターを着ていて、確かに痩せたようだった。元も細身だから薄くなったような気がする。
けれどその表情はパッと晴れやかで、やっぱり犬のようだ。
ご飯を食べに行こうと誘ったら秒で返事が返ってきた。
こんなに綺麗な顔をして、ちょっと頭がおかしい女信者がいて、口では塩対応の話をするのに全然御せてなくて、本人もやることが極端でおかしくて、でもやっぱり雪那には従属的で、表情が可愛い。
「ごめんね、話をしたいって言ったとおり」
「……そう」
対面でしょんぼりとさせてしまったが、これは雪那のケジメだ。
「玲司くんはさ」
名前を呼んだからか、玲司がまた少しだけ笑みを見せる。ズルい、顔がいい。雪那はなるべく視線を逸らせながら続けた。
「私にどうなって欲しい?」
「……どう?……ごめんね、どう言う意味?」
「前に、けっ、結婚したいとか……言ってたじゃない?」
「うん、今も思ってる」
「なんで……は置いといて、それはさ、どうなりたいから?サポートをして欲しい?家庭に入って欲しいとか、そういう?」
玲司は少し黙っていた。チラリと視線を上げるときょとんと丸い目に出会う。
「……考えたらことなかった、かな」
「ないの?」
うん、と玲司は頷いた。それからテーブルの上に肘をつき、両方の指先を揃えて眉間のあたりうずめていた。
「なんか……そうか、おかしいな……」
「どうしたの?」
そのままだんだんと耳が赤くなっていくので驚く。
「俺……ただ、雪那さんと一緒にいたいって……だけで……その先を何にも考えてなかった。いつだって先が見えて、分かるように生きてきたのに……一緒にいて欲しいって。いつでも顔が見たいって……」
やがては顔全体を覆ってしまった。
次に来る沈黙に、雪那はどうしたらいいかわからない。雪那も黙り込んでしまったので、二人でただただテーブルを見ていた。
「俺ね」
気まずさに水を飲み干してしまったあたりで、玲司がポツン、と口火を切った。
「雪那さんが好きなんだ。もうわけがわかんないけど。でも、笑って欲しいし笑いかけて欲しいし俺に頼って欲しいし俺の前では泣いて欲しい。全部、全部見たい。本当は他のやつに笑いかけないでも欲しいけど……」
切実な口調は、嘘を言っているようには思えない。
透明なガラス水槽に入れてずっと見ていたいと言った玲司を思い出した。
「私、二番目に付き合った人が酷くて、束縛とか無理なの。報告しろとか行動を禁止されるの、とても、嫌だった」
「うん、知ってる。俺はそんなことしない。だって雪那さんが笑ってくれないの嫌だ……ただ、見守りたかっただけ。助けたかっただけ。もう勝手にそんなことしないから。絶対しない」
その真っ直ぐな視線に、彼が全部知ってることを理解して、でもゾワリとはしなかった。詮索されるのは嫌だったはずなのに。
ただ、この人は一時的な熱病に、思いのままにならないことに、振り回されているのでは?と思った。初めてのおもちゃを手に入れた子供みたいに。必死で自分のペースも掴めず。
「玲司くんはさ」
「……うん。はい」
「無理してない?無理に私に好かれる人間になろうとしてない?自分を顧みて大切にできてないんじゃない?」
また沈黙だった。わからないとばかりに眉が寄っている。
年下ながら頼り甲斐があってなんでもできる玲司のイメージからどんどんとかけ離れていく。それは情けないではなくて、可哀想で、少し可愛いなと思った。
「私といてかなり無理していたよね?仕事も無茶苦茶でさ、毎日寝不足で不規則な生活して。今は体壊してない?」
「……平気だよ」
「そう?全然食べてないけど」
「話、が……気になって喉を通らない」
フォークも持たない玲司に薦めるようにサラダを口にしてみたけれど、やはり玲司はテーブルの上から手を動かそうとはしなかった。きっとすごく緊張をしているのだろう。同じ立場だったらきっと雪那も平然としてはいられなかったと思う。
だからごくんと一口飲み込んで、顔を上げた。
「玲司くん、私ね、ここ最近、玲司くんが会社にいて一緒に頑張ってた時のことを思い返して、すごく楽しかったなって思った。そりゃあもうクレームクレームできつかったけどね」
急に、何を話し始めるのだと警戒した顔を玲司がする。
「それでね、再会した後に、玲司くんといるのも楽しかったよ。なんだろう。気を張らなくていいってこう言うことかってわかったし。色々な知識が増えて、いつも頑張ってるねって褒めてくれたことも嬉しかった」
「な、んで……全部、過去形? 嫌だよ、もうしないから……っ」
ガタン、と椅子が揺れた音がする。立ちあがろうとした玲司に落ち着いてと手で制した。
「まず、聞いて欲しいの。玲司くんはさ、私のことをたくさん知ってるけど、私を見誤ってるんだと思う」
「どう言うこと?」
「私が何に怒ってるかわかる?」
「……勝手に雪那さんのこと調べて逃げないように見張ろうとしたから?既成事実から作ろうとしたから?雪那さん助けるためって雪那さんの罪悪感煽って離れにくいようにしたから?」
「そんなこと思ってたの?でも、違う。私ね、玲司くんの手心一つで吹けば飛ぶくらいならものしか積み上げてこなかった自分が嫌なの」
「……ごめん。わからない」
「そうだよね。なんとなく玲司くんはわからない気がしてた。強者ってそうだよね」
どんなに努力しても試合で全く歯が立たず視界にも入れなかった相手のように。絶望的なまでの才能の違いは、異分野でも胸がつまる。雪那はいい子の仮面を被って愚直に力んでそれなりにの成績でチヤホヤされ、でも特別にはなれない人間。玲司みたいな夢を叶える魔法はついぞ使えない。
「雪那さんまでなんで俺を異物みたいに言うの?俺は普通じゃないところもあるけど、でも、雪那さんに対しては普通で頑張ってるのに!」
玲司のその苛立ちにきっと彼も色々思うところがあるんだろう。けれど雪那は黙らなかった。
「普通とは思えないけど、頑張ってくれたのは何となくわかる。でも、私が許せないのは、私を褒めて気を抜かせてくれたと思った玲司くんが色々裏で画策して下駄を履かせて、一番、私を認めてくれていなかったこと」
「違う、そんなつもりじゃない!雪那さんに喜んで欲しくて」
「人からお情けでもらったもので喜ぶほどプライドが低くなくてごめんね。芦本さんは光栄に思えって言うけど」
「また優希?なんなんだよアイツ!関わるなって言ってるのに!」
「玲司くんのためを思って先回りしてるんでしょ?私が折れたら玲司くんが喜ぶと思って」
「勝手に……そんなんで俺が…………ぁ」
「ね。同じことでしょ?結果さえあれば嬉しい?どんな経緯でも?」
「ち、が……俺、そんな……ほとんど雪那さんの力で……」
「うん、私も元々玲司くんがたくさん私のためを思ってしてくれたことの素地があったから玲司くんのことを好きになったよ」
「好……!」
ぱっと玲司の顔が赤くなった。
「だから、彼女も。背中を押す意味だと思う。私が玲司くんの役に立つように、それが一番いいって。私が玲司くんのために、玲司くんを優先すればそれが一番いいって」
できないなら消えろ、いなくなれ、という脅しはなんとなく口にすることが憚られた。彼女にしてみたらきっと雪那は目障りでしかない。たとえそれが彼女自身の我欲であり、玲司とは関係なくても、その必死さはわからないこともなかった。
きっと、それだけ、彼女は真剣なんだろう。真っ直ぐぶつかってくる分、陰口を流されるよりはマシだ。
「アイツそんなことを雪那さんに言ってるの?!ふざけるなよ」
「ごめんね。玲司くんが口を出すと余計うるさいと思うから黙っていて」
「なんで雪那さんが気を使うの!」
「ただの比較話として聞いて。自衛してるし気にしてないよ。ねえ、玲司くん。仮に私が折れて玲司くんと結婚するって言って、仕事を辞めて、あとから本当はこんなことがあって不本意だったよって聞いたら、それでも嬉しい?」
「嬉しいわけがない。俺は、ただ雪那さんに笑って欲しいだけなのに……物理的に一緒にいれたらいいだけじゃない。不本意だなんて……そんなの、全然……。ごめん、すぐにやめさせる。アイツ絶対に許さない」
「だからたとえ話だからいいよ。それより、同じことだよ。あなたが私にしたことは、同じだよ。素地があればいいじゃない。紛い物だったことが、人に胸を張れないことが、ショックで悔しくて怒ってる」
怒りに満ちていた彼の瞳が翳り、潤んで、そのまま項垂れた。
「……ごめんなさい。本当に、そういうつもりじゃなくて。過去は取り戻せないけど……何したら、許してくれる?何でもするから、捨てないで」
「じゃあ。賭けをしよう、玲司くん」
賭け?と玲司の唇がゆるりと動く。雪那は頷いた。
「玲司くんの名前と、私が売り込むうちの製品と。どっちが勝つのか。玲司くんが勝ったら、私はキッパリ仕事辞める。玲司くんのところに行くよ。その代わり私が勝ったら、別れよう。連絡先も全部消して、二度と私を詮索しないって約束して」
玲司の瞳が困惑と驚愕に見開かれて、次に、今にも泣きそうに歪んだのがよくわかった。