約束の続きをもう一度~再会した御曹司の彼は、娘ごと私を甘やかして離しません~
アメリカへ行くことが決まってから一夜が明け、二人はまずこれからのことを詩音に話しておこうと決めた。
まだ幼い詩音にこれから環境が大きく変わることをどう伝えるべきか、湊と和葉は顔を見合わせながら慎重に言葉を選ぶ。
そして和葉が詩音の目線に合わせるように腰を屈めた。
「ねぇ詩音、詩音はお兄ちゃんのこと大好きよね?」
「うん!」
和葉の問いに詩音は迷うことなく頷くと、その姿に和葉が微笑みながら続けていく。
「じゃあね……これからお兄ちゃんが詩音のパパになるって言ったら、どう思う?」
「え?」
詩音はパチパチと瞬きをした。
「おにーちゃんが……しおんの、パパ?」
その言葉に和葉と湊の胸がきゅっと締めつけられる。
血の繋がった父親と娘なのに、二人は生まれた時からずっと離れていた。
そんな詩音にとって湊はあくまでも、「お兄ちゃん」であり父親ではない。
だからこそ、いきなり、「あなたのパパなのよ」と伝えるのではなく、まず詩音自身がどう感じるのかを聞いてみたかった。
詩音にとって父親が傍にいないことは生まれた時から当たり前で、それでも時折、「パパに会いたい」と口にすることはあった。
そんなとき、和葉は詩音を抱きしめながら、『パパは遠くにいるから会えないのよ』と言い聞かせてきた。
だから詩音が父親という存在をどこまで理解しているのか正直和葉にも分からなかった。
けれど、
「おにーちゃんがしおんのパパになってくれるの!?」
詩音の顔がぱっと明るくなった。
「しおん、うれしい!!」
「……え?」
思わず和葉が目を見開く。
戸惑うどころか詩音は満面の笑みを浮かべながら嬉しそうに湊のほうを見る。
「だってねしおん、ずっとおもってたんだぁ」
「……何を?」
湊が優しく問いかけると詩音は少しも迷うことなく答えた。
「おにーちゃんがパパになったらいいのにって!」
「…………っ」
その瞬間、湊の胸が大きく揺さぶられた。
娘がいることすら知らずに暮らしてきて、傍にいてやることが出来なかった。
それなのに、詩音は『お兄ちゃん』として接していた自分のことを父親になってくれたらいいと思ってくれていた。
こんなにも嬉しいことは無いと湊は泣きそうになるのを必死に堪えたけれど、視界が滲みそうになって詩音をそっと抱きしめた。
「……ありがとう、詩音……これからは……パパって呼んでくれたら、嬉しい」
湊がそう告げると詩音は彼の胸に顔を埋め、暫くすると小さな声が漏れてくる。
「……っ、うん」
その声は少し震えていた。
「パパ……」
湊の腕に力が込もる。
「……パパぁ……」
堪えていたのか、詩音瞳からぽろぽろと涙が零れ落ちた。
そんな二人を見守っていた和葉の瞳からも大粒の涙が流れていき、ずっと離れていた父と娘の時間がようやく始まりを告げた喜びを静かに噛み締めていた。
まだ幼い詩音にこれから環境が大きく変わることをどう伝えるべきか、湊と和葉は顔を見合わせながら慎重に言葉を選ぶ。
そして和葉が詩音の目線に合わせるように腰を屈めた。
「ねぇ詩音、詩音はお兄ちゃんのこと大好きよね?」
「うん!」
和葉の問いに詩音は迷うことなく頷くと、その姿に和葉が微笑みながら続けていく。
「じゃあね……これからお兄ちゃんが詩音のパパになるって言ったら、どう思う?」
「え?」
詩音はパチパチと瞬きをした。
「おにーちゃんが……しおんの、パパ?」
その言葉に和葉と湊の胸がきゅっと締めつけられる。
血の繋がった父親と娘なのに、二人は生まれた時からずっと離れていた。
そんな詩音にとって湊はあくまでも、「お兄ちゃん」であり父親ではない。
だからこそ、いきなり、「あなたのパパなのよ」と伝えるのではなく、まず詩音自身がどう感じるのかを聞いてみたかった。
詩音にとって父親が傍にいないことは生まれた時から当たり前で、それでも時折、「パパに会いたい」と口にすることはあった。
そんなとき、和葉は詩音を抱きしめながら、『パパは遠くにいるから会えないのよ』と言い聞かせてきた。
だから詩音が父親という存在をどこまで理解しているのか正直和葉にも分からなかった。
けれど、
「おにーちゃんがしおんのパパになってくれるの!?」
詩音の顔がぱっと明るくなった。
「しおん、うれしい!!」
「……え?」
思わず和葉が目を見開く。
戸惑うどころか詩音は満面の笑みを浮かべながら嬉しそうに湊のほうを見る。
「だってねしおん、ずっとおもってたんだぁ」
「……何を?」
湊が優しく問いかけると詩音は少しも迷うことなく答えた。
「おにーちゃんがパパになったらいいのにって!」
「…………っ」
その瞬間、湊の胸が大きく揺さぶられた。
娘がいることすら知らずに暮らしてきて、傍にいてやることが出来なかった。
それなのに、詩音は『お兄ちゃん』として接していた自分のことを父親になってくれたらいいと思ってくれていた。
こんなにも嬉しいことは無いと湊は泣きそうになるのを必死に堪えたけれど、視界が滲みそうになって詩音をそっと抱きしめた。
「……ありがとう、詩音……これからは……パパって呼んでくれたら、嬉しい」
湊がそう告げると詩音は彼の胸に顔を埋め、暫くすると小さな声が漏れてくる。
「……っ、うん」
その声は少し震えていた。
「パパ……」
湊の腕に力が込もる。
「……パパぁ……」
堪えていたのか、詩音瞳からぽろぽろと涙が零れ落ちた。
そんな二人を見守っていた和葉の瞳からも大粒の涙が流れていき、ずっと離れていた父と娘の時間がようやく始まりを告げた喜びを静かに噛み締めていた。