儚い君と恋をする。
俯く彼を見て切なくなる。
私と同い年ぐらいの彼を見てると、まだやりたいことも行きたいとこも沢山あっただろうと思うと胸が苦しくなる。
幽霊と関わると、この現実が切なくなるから関わりたくなんてなかったのに…。
なんて声をかければいいかわからないでいると、彼は顔をスっとあげて
「まぁ…でも話せるお前と出会えたからいっか」
そう言ってニコリと明るく笑う彼に更に胸が締め付けられた。
そんな風に笑うのは…ずるいよっ
「あ…そういえばお前名前は?」
「…清水 菜々(しみず なな)」
一瞬答えるべきが悩んだが…目の前で笑う彼に小さな声で答えた。
「ななかぁ、俺は自分の名前もわかんねぇから適当に呼べよ」
自己紹介が終わると、ゴロンと床に寝転がった。
そんな図々しい彼を見ると、この街に馴染めなくて友達のいない私には、そんな彼が新鮮で、新しい友達ができたような…そんな感覚だった。
───こうして、私と彼の誰にも言えない奇妙な同居生活がはじまった。