儚い君と恋をする。
拳をきゅっと握ると、震える体を抑えながら声を絞り出した。
「……れ、れいくん……だよね…?」
「はぁ…だから誰だよそれ。人違いだろ」
私を呆れたように見つめた彼は、冷たく背を向けようとする。
私は慌てて更に声をかける。
自分の左手首についてるお揃いの白のブレスレットを彼の前に突き出す。
「この……ブレスレットに見覚えはありませんか……?」
あの日れいくんが居なくなった部屋にブレスレットは落ちてなかった。
この人がれいくんなら、消えたれいくんの元に……あるはずだからっ
歩きだそうとしていた彼の足が、ピタリと止まった。
私の手首にある白いブレスレットを見つめた瞬間、彼は思いっきり目を見開いた。
「……っ!……しらねぇよ、こんなのっ」
見るからに動揺している彼は、逃げるように足速に去ろうとする。
そして、焦る彼の手首からは黒いブレスレットがチラリと制服の袖から覗いていた。