儚い君と恋をする。
街の中で大声で叫ぶ私は、きっと凄く惨めで無様だと思う…。
そんなの分かってる…だけど、私はもうあなたがいない世界なんて嫌だ…っ
彼は歩みを止めると、振り返らないまま、面倒くさそうに低い声で吐き捨てた。
「……星野 叶斗(ほしの かなと)だ」
「……叶斗くん!!……私は、清水 菜々ですっ!!……友達に……なってくれませんか……っ」
恋人だった彼にこの言葉を伝えると、信じたくない現実を嫌でも突きつけられているようで胸が痛くて堪らなかった。
だけど、溢れる涙を堪えて一生懸命に叫んだ私に叶斗くんの背中が、ビクッと微かに反応した。
「……なな…」
彼が、ぽつりと私の名前を呟いた。