儚い君と恋をする。

その声は、何度も愛おしそうに私を呼んでくれたれいくんの声そのもので、もう二度と呼んでもらえないと思っていたから、私はそれだけですごく嬉しかった。


たったそれだけで胸がドキドキとして涙が溢れる。


やっぱり……あなたが大好きっ


「…うんっ!ななだよっ!」

私は涙をこぼしながら笑顔で返す。

「……ちっ……なんでもねぇ、じゃーな」


彼は酷く困惑したような顔をすると、舌打ちをして今度こそ友達と一緒に人混みの中へ去っていってしまった。


見えなくなるまでその背中を見送った。


去っていってしまった彼の腕にはチラリと見えたブレスレットに私の名前を呼んだ叶斗くんの声


絶対に叶斗くんがれいくんだ…と私は確信した。


二度と会えないと思っていた彼は私の事なんて忘れていたけど、生きてここにいるんだ。


思い出して貰えるまで、何度だって私が会いに行けばいい…っ


私たちの思い出が全て消え去ったみたいで辛くて苦しいけど…っ


昨日までの二度と会えない苦しみを考えたら、彼が会える距離にいる。
こんな嬉しいことはきっと…無い。


……どんなに辛くたって

どうしようもないぐらい君が好き……

がんばるよ…………。


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