続・各駅停車のラブソング~只今絶賛、片思い中。~
第18駅:環状線の四重奏(和馬の視点)
「ねえ結菜、今日の放課後さ、玲央も誘ってカラオケ行かない?」
茜が結菜にそう話しかけている声を、俺は机に突っ伏したまま聞いていた。
茜の視線が俺に向いていることなんて、これっぽっちも気づかないフリをして。
なぜなら、俺の目は、最初からずっと一人の女の子しか映していないからだ。
俺の好きな人は、結菜。
おとなしくて、いつも一歩引いて周りを見ている優しい女の子。
だけど、結菜の視線の先には、いつも俺の親友の玲央がいる。
玲央が笑うと結菜の顔がパッと明るくなるし、玲央が茜と親しげに話していると、結菜は泣きそうな顔で俯く。
結菜が玲央に宛てた「各駅停車の片思い」を、俺は一番近くで、一番見たくない特等席で見つめ続けてきた。
「……あ、悪い結菜。俺、放課後ちょっと用事あるからパス」
結菜がカラオケに乗り気じゃないのが分かったから、俺はわざと断った。
俺がこれ以上、結菜の切なそうな顔を見たくなかったから。
声をかけたとき、結菜の肩が小さく跳ねて、俺をまっすぐ見つめてきた。
その瞳が、俺の胸をどうしようもなく締め付ける。
「なんだよ和馬、ノリ悪いなー」と、何も知らない玲央が俺の肩を小突く。
「じゃあ、4人でどっか寄って帰ろ?」と、茜が寂しそうな顔で食い下がる。
お前らの気持ちも、全部知ってるよ。
玲央は茜が好きで、茜は俺が好きで、俺は結菜が好きで、結菜は玲央が好き。
綺麗に一周して、誰の想いも行き止まり。俺たちの関係は、完全に噛み合わないまま回り続ける環状線だ。
「……うん、そうだね」と呟いた結菜の横顔を守りたくて、俺はポケットの中で拳を握りしめる。
結菜。お前が玲央を見て傷つくくらいなら、俺がお前を連れ去って、新しいレールを走らせてやりたい。
そんな大それた願いを隠したまま、俺は今日もぶっきらぼうな男友達のフリを続けている。
茜が結菜にそう話しかけている声を、俺は机に突っ伏したまま聞いていた。
茜の視線が俺に向いていることなんて、これっぽっちも気づかないフリをして。
なぜなら、俺の目は、最初からずっと一人の女の子しか映していないからだ。
俺の好きな人は、結菜。
おとなしくて、いつも一歩引いて周りを見ている優しい女の子。
だけど、結菜の視線の先には、いつも俺の親友の玲央がいる。
玲央が笑うと結菜の顔がパッと明るくなるし、玲央が茜と親しげに話していると、結菜は泣きそうな顔で俯く。
結菜が玲央に宛てた「各駅停車の片思い」を、俺は一番近くで、一番見たくない特等席で見つめ続けてきた。
「……あ、悪い結菜。俺、放課後ちょっと用事あるからパス」
結菜がカラオケに乗り気じゃないのが分かったから、俺はわざと断った。
俺がこれ以上、結菜の切なそうな顔を見たくなかったから。
声をかけたとき、結菜の肩が小さく跳ねて、俺をまっすぐ見つめてきた。
その瞳が、俺の胸をどうしようもなく締め付ける。
「なんだよ和馬、ノリ悪いなー」と、何も知らない玲央が俺の肩を小突く。
「じゃあ、4人でどっか寄って帰ろ?」と、茜が寂しそうな顔で食い下がる。
お前らの気持ちも、全部知ってるよ。
玲央は茜が好きで、茜は俺が好きで、俺は結菜が好きで、結菜は玲央が好き。
綺麗に一周して、誰の想いも行き止まり。俺たちの関係は、完全に噛み合わないまま回り続ける環状線だ。
「……うん、そうだね」と呟いた結菜の横顔を守りたくて、俺はポケットの中で拳を握りしめる。
結菜。お前が玲央を見て傷つくくらいなら、俺がお前を連れ去って、新しいレールを走らせてやりたい。
そんな大それた願いを隠したまま、俺は今日もぶっきらぼうな男友達のフリを続けている。