母国を追われた草いじり令嬢は、敵国で『宮廷植物医』として新生活を満喫しています~元婚約者様と義妹、お元気ですか? 貴重な植物が全て枯れ、さらに私が渡した大事な園芸書を燃やした?じゃあ、もう無理ですね~

第22話:皇太子の日記③

 ベルナデッタは毒の散布方法をも明らかにした。
 渡り鳥の足先に毒の入った小さな筒をつけ、人を介在させない方法で散布したのだ。
 実行犯を確保できたため、今後はさらなる調査を進めることができる。

 彼女が毒の散布方法に気づいたきっかけは、私とともに行った帝都の散策だった。
 餌を啄む鳥の歩く様子から連想されたと話す。
 発想力の豊かさも感じられる出来事だ。

 帝都の散策では、この国の変わりつつある現状を実際に目にすることができた。
 かなりの長期間姿を見なかった金穂麦を使った料理が溢れ、住民の顔にも明るい笑顔が咲く。
 ベルナデッタがいれば、我が国が平時に戻るのはそう遠くない日だと私は強く確信している。

 散策といえば、彼女に手を握られたとき私の心臓は強く拍動した。
 言い表しがたいのだが、胸が躍るという表現がふさわしいかもしれない。
 その一瞬だけ身体が浮かぶような軽やかさを覚えた。
 今までにない経験だ。
 いったいどうしたのだろうか。

 なぜなのかは不明なものの、思い出すとどこか嬉しい私がいた。
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