母国を追われた草いじり令嬢は、敵国で『宮廷植物医』として新生活を満喫しています~元婚約者様と義妹、お元気ですか? 貴重な植物が全て枯れ、さらに私が渡した大事な園芸書を燃やした?じゃあ、もう無理ですね~
第3話:元婚約者と義妹、大切な園芸書を燃やす
ベルナデッタがラルフと出会った、ちょうどその頃。
宮殿にある第二王子の私室では、ギルアンとセリーヌが優雅に茶を飲んでいた。
「ようやく、君と一緒になれる日が来たね。僕はずっとこの日を待っていたよ」
「お義姉様を追い出してくださってありがとうございます。地味なくせにちやほやされるあの人を見るたび不快でしたわ。私の方が美しいのに」
派手で華美なセリーヌは、自分の外見に強い自信を持っていた。
ギルアンでさえ煌びやかな見た目で手に入れた。
それなのに、フォーマット伯爵家や植物園を訪れる人々はみな地味なはずのベルナデッタと楽しそうに話す。
それが許せなかったのだ。
ふと、セリーヌと一緒に悪口で盛り上がるギルアンの目にみすぼらしい木箱が映った。
別れ際に渡されたあの園芸書のセットだ。
一応持って帰ってきたがまだ中身はまったく見ていない。
(汚い置き土産を残しやがって。口答えも多かったし、あいつは最後まで迷惑な女だ)
セリーヌの言うように華がなく一緒にいてつまらない女。
ベルナデッタは邪魔な存在だったと、心の中で毒づいたギルアンは名案を思いついた。
「こんな汚い本など燃やしてしまおうか」
「それがいいですわ、ギルアン様。視界に入るたびお義姉様を思い出して嫌な気持ちになりますもの」
二人は園芸書を持つと、次々と暖炉に放り投げた。
ベルナデッタが残してくれた大切な園芸書は炎に飲まれ、塵となって消えていく。
存在そのものを消すような光景は、ギルアンとセリーヌに一時の爽快感を与えた。
「ところで、セリーヌ。植物園では使用人を働かせなくていいのかい?」
「必要ありませんわ。下手にいじられて枯らされたら迷惑ですもの。それに、功績を横取りする不届き者だっているかもしれません」
「たしかにそうだ。お前は賢いね。ははっ、草なんか放っておいても勝手に育つだろう。わざわざ手にかける必要がわからないな」
「ええ、土など触ってはお洋服が汚れてしまいます。お義姉様はよくあんな汚い作業ができましたわね」
気持ち良く笑う二人はまだ知らなかった。
植物園ではすでに異変が発生していること、そして外遊から帰った国王夫妻と第一王子に様々な噓を吐いた結果、“破滅の運命”が待っていることを――
宮殿にある第二王子の私室では、ギルアンとセリーヌが優雅に茶を飲んでいた。
「ようやく、君と一緒になれる日が来たね。僕はずっとこの日を待っていたよ」
「お義姉様を追い出してくださってありがとうございます。地味なくせにちやほやされるあの人を見るたび不快でしたわ。私の方が美しいのに」
派手で華美なセリーヌは、自分の外見に強い自信を持っていた。
ギルアンでさえ煌びやかな見た目で手に入れた。
それなのに、フォーマット伯爵家や植物園を訪れる人々はみな地味なはずのベルナデッタと楽しそうに話す。
それが許せなかったのだ。
ふと、セリーヌと一緒に悪口で盛り上がるギルアンの目にみすぼらしい木箱が映った。
別れ際に渡されたあの園芸書のセットだ。
一応持って帰ってきたがまだ中身はまったく見ていない。
(汚い置き土産を残しやがって。口答えも多かったし、あいつは最後まで迷惑な女だ)
セリーヌの言うように華がなく一緒にいてつまらない女。
ベルナデッタは邪魔な存在だったと、心の中で毒づいたギルアンは名案を思いついた。
「こんな汚い本など燃やしてしまおうか」
「それがいいですわ、ギルアン様。視界に入るたびお義姉様を思い出して嫌な気持ちになりますもの」
二人は園芸書を持つと、次々と暖炉に放り投げた。
ベルナデッタが残してくれた大切な園芸書は炎に飲まれ、塵となって消えていく。
存在そのものを消すような光景は、ギルアンとセリーヌに一時の爽快感を与えた。
「ところで、セリーヌ。植物園では使用人を働かせなくていいのかい?」
「必要ありませんわ。下手にいじられて枯らされたら迷惑ですもの。それに、功績を横取りする不届き者だっているかもしれません」
「たしかにそうだ。お前は賢いね。ははっ、草なんか放っておいても勝手に育つだろう。わざわざ手にかける必要がわからないな」
「ええ、土など触ってはお洋服が汚れてしまいます。お義姉様はよくあんな汚い作業ができましたわね」
気持ち良く笑う二人はまだ知らなかった。
植物園ではすでに異変が発生していること、そして外遊から帰った国王夫妻と第一王子に様々な噓を吐いた結果、“破滅の運命”が待っていることを――